close 
CONTENTS

TOP

最新情報

   状況・被害
   プレスリリース

JPFの取り組み

今後の予定

参加団体

▼実施事業一覧

8月1日現在
第3期緊急支援事業
NGO事業計画公開
5月18日現在
第2期緊急支援事業
NGO事業計画公開
2月7日現在
第1期緊急支援事業
(各NGO事業計画)
初動ミッション

▼モニタリング

第二次モニタリング報告(2005年10月)
第一次モニタリング報告(2005年3月)
モニタリング調査票

寄付のお願い



English




日本郵船、JPF共同
物資輸送プロジェクト


NGOからのニーズ
スマトラ島沖地震支援事業 第二次中間モニタリング報告書
特定非営利活動法人 ジャパン・プラットフォームNGOユニット
←前へ次へ→

7.モニタリング・視察結果


7−9.【インドネシア】「スマトラ島北部被災地における食糧・物資配給、医薬品供給事業」:PWJ

  • 調査日:2005年7月2〜4日、7日
  • 調査団体名:ピース ウインズ・ジャパン(PWJ)
  • 記入者:田中洋人 伊藤亜紀
  • 調査国・地域:インドネシア ナングル・アチェ・ダルサラム州(旧アチェ特別州、以下アチェ州)、バンダ・アチェ、ムラボ
  • 視察方法(聞き取り、訪問等):
    PWJバンダ・アチェ及びムラボ事務所での聞き取り及び現地視察
  • 面談者:
    山本理夏氏(海外事業部チーフ)
  1. キャメロン・ノーブル氏(インドネシア事業代表)
  2. 金丸智昭氏(海外事業部グループリーダー)
  3. 山元めぐみ氏(ムラボ事務所プロジェクト・コーディネーター)
  4. 近藤真理子氏(バンダ・アチェ事務所プロジェクト・コーディネーター)
  5. 各支援事業裨益者
  • 調査・訪問箇所:
  1. ムラボ
    (1) ムラボ市内及び被災地周辺プロジェクト・サイト(Woylaキャンプ)
  2. バンダ・アチェ
    (1) バンダ・アチェ被災地
    (2) 同プロジェクト・サイト(Lambaro Skep)

1.事業目的 (事業計画書より)

インドネシア・スマトラ島の北西部沿岸の都市ムラボ周辺ならびにその郊外ナガン・ラヤ県の町村で、スマトラ沖地震を端緒とする津波被害のために、住居を失い避難所で避難生活を送っている被災民を支援するために、各避難所に分かれて生活する約2,000世帯(10,000人)の被災者を対象に、食糧、水、生活必需品等一式を配布する。
さらに懸念される被災者の健康状態の悪化に即応しうるよう、必須医薬品や保健所のニーズに沿った医薬品をナガン・ラヤ県内6ヶ所の保健所に供給する。


2.現地事情:
(事業計画書及び3月2日付け評議会向けPWJ報告書より)

震源に最も近いスマトラ島北西部沿岸は海岸から数キロにわたり、壊滅的な被害を受けた。2月28日の時点のインドネシア政府の公式発表では、死者124,829人、不明者120,000人、国内避難民406,326人と言われる。スマトラ島の西海岸は、2月28日現在も、道路が流され空路でのみアクセスが可能な地域もあり、ヘリや船からの支援活動が行われている。
西海岸の支援の拠点である都市ムラボを中心とする周辺4県(アチェ・ジャヤ県、アチェ・バラット県、ナガン・ラヤ県、アチェ・バラット・ダヤ県)の避難民は約40,000世帯。避難民キャンプは、NGOや国連が支援している5,000人規模の大型キャンプから、避難民が数十世帯の単位でテントを張り、あるいは公民館などに自発的に集まっている小規模キャンプまで、様々な形状がある。また、近隣のホストファミリーに身を寄せている避難民は、外部からの把握が難しく、これらの被災者の把握と支援が現地での課題となっている。
さらに被害地アチェの分離独立を主張する反政府組織「自由アチェ運動(GAM、1976年結成)」とインドネシア国軍(TNI)との紛争も存在する。アチェ州は2003年5月以来、非常事態宣言下におかれ、外国人の立ち入りは厳しく制限されていた。地震直後この方針が3月26日までの期限付きで転換され、国連や援助関係者、各国軍、報道機関などに対し、州内の移動を含む自由な活動が容認されているものの、バンダ・アチェとムラボ以外では援助関係者もTNIによる付き添が義務付けられるなど、軍民協力に関する問題も発生している。加えて、多額の資金を集めた有力国際NGOが集中し、活動地や物資の配給をめぐり、調整が難航している。


3.事業概要

当初、被災民を支援するために、各避難所に分かれて生活する約2,000世帯(10,000人)の被災者を対象に、食糧、水、生活必需品等一式を配布し、また、懸念される被災者の健康状態の悪化に即応しうるよう、必須医薬品や保健所のニーズに沿った医薬品をナガン・ラヤ県内6ヶ所の保健所に供給する予定であった。
しかし、事業開始後、世界食糧計画が大規模な配布を開始したため、PWJでは重複を避け食糧配布を中止。食糧以外の生活必需品の配布を増額するとともに、食糧事業は、瓦礫の撤去や壊れた道路・水路などの修復作業に従事する被災地の住民に手当てを支払う、帰還促進(所得・雇用創出)事業と配布物資に変更した。事業変更申請は2月24日に行われた。


4.第一期との変更点、改善が必要と思われた点等

前回のモニタリングは事業変更申請が提出される前に実施されたため、モニタリングする事業と実施されている事業に大幅なずれがあり、精査できない部分が多くあった。今回は変更申請後の事業であったが、事業自体は終了していたため事後モニタリングとなった。


5.変更申請されたプロジェクト(詳細は支援プロジェクトに記入)

配布物資の変更と事業地域の拡大。また、被災民帰還支援事業として瓦礫撤去が組み入れられた。さらに、延長申請がなされ30日間の延長が認められた。なお、保健所用医薬品配布事業は変更申請後に水質検査事業に再度変更されたため、遡及変更申請をする予定。


6.視察所見

  1. プロジェクト所見
    第一期のすべての事業は終了していたため、各事業地の視察を中心とした事後モニタリングとなった。
    (1)物資配布
    配布物資の内容が変更、配布された。多くの配布物資は現在も使われておりニーズ調査の正確さとともに事業の裨益効果は大きい。

    (2)保健所用物資配布
    状況が変化し薬品等の配布から水質検査に変更された。津波による冠水で井戸の汚染し感染症の発生が懸念されたため実施されたが適当な事業であった。このため、感染症の大規模な発生は確認されていない。

    (3)被災民帰還事業(瓦礫撤去作業)
    道路、用水路の修復によりインフラの復旧が図られた。また、現金収入の獲得により必要な物資を独自に購入できるようになるなど、その後の配布事業の縮小に結びつき援助の効率化が実現するなど援助効果が大きい。

  2. 必要なアクション、是正措置
    今回、特に問題点は実施体制、事業とも見られなかったが、すべての事業が終了していたので直接的なモニタリング結果につながらないのも事実である。今後は事業実施中にモニタリングが出来ることが望ましい。


7.総括

前回2月のモニタリング時には変更申請が提出されておらず、基礎となる資料がないままモニタリングを行った。今回は事業が終了した後の、事後モニタリングとなった。そのため事業実施当時の状態を調査することは出来なかった。
よって、被災者キャンプにおける配布物資の事後調査などでインパクトや有効性を量ることとした。その結果、緊急援助における裨益効果は非常に良好で、裨益者の満足度は高かった。
一方、被災から半年以上が経過し緊急援助期を過ぎたものの、仮設住宅の建設の遅延など、各分野での復興が遅れている。今後は復興に向けたきめ細かいニーズへの対応と息の長い支援が必要とされており、とりわけ紛争地におけるわが国のNGOが現地で活動する平和構築の観点からも事業継続の意義は大きい。


←前へ次へ→

上へ
Copyright ©:Japan Platform:All Rights Reserved