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7.モニタリング・視察結果


7−4.【タイ】「南タイ被災児童の心のケア事業」:SVA

  • 調査日:6月11日、6月12日
  • 調査団体名:SVA
  • 記入者:桑名 恵
  • 調査国・地域:タイ国 バンガー県
  • モニタリング方法(聞き取り、訪問等):聞き取り、現地視察
  • 面談者:
  1. 田村 奈津子氏 SVAタイ事務所駐在員
  2. Arunee Premma 氏 シーカーアジア財団(SVAのタイ現地法人) 事務局長
  3. 仮設図書館、移動図書館ボランティア
  4. 受益者(子ども)
  • 調査・訪問箇所:
  1. ナムケム村(恒久住宅建設地)
  2. SVA/シーカーアジア財団仮事務所
  3. クランブリー仮設住宅、及び仮設図書館
  4. プルティアオ仮設住宅、及び仮設図書館
  5. サマキータム寺避難所、住民図書館

1.事業目的

避難生活が長引く状況下、図書館活動を通じて子ども達が安心して過ごせる場所を提供し、子どものストレス、トラウマを軽減すること。


2.現地事情:(申請書、添付書類等より要約)

事業対象地のバンガー県は、タイで津波被害を受けた6県のうち、最大の被害を受けた地域である。特にミャンマーからの移住者や水上生活を行う少数民族のモーケン族は、沿岸部に居住し大きな被害を受けたにも関わらず、政府の支援が届きにくい。
多くの被災者はテントや仮設住宅での避難生活が続いているが、一部の人々は恒久住宅に移り始めている。観光産業や漁業への打撃により仕事を失った人が多いため、生計の建て直しが大きな問題となっている。援助団体が物資などの支援を行う段階は過ぎ、今後は心のケアや住民組織の復興が求められている。


3.事業概要:(事業計画書より)

絵本を50冊入れた図書箱を、対象地域の保育園、小学校、コミュニティの集会所に置き、児童に読書の機会を提供する。さらに図書箱の設置箇所に定期的に移動図書館車を使って訪問し、人形劇の講演、踊り、ゲーム、歌、読み聞かせを行い、読書に対する動機付け及び精神的なケアを行う。持続して子どものケアを行うために、他資金により仮設図書館の設置も行っている。

モニタリング時では、「図書箱」及び「移動図書館」の活動に関してのみJPFに直接事業費が計上されていたが、モニタリング実施後に行われた変更申請の後、「仮設図書館の設置」もJPFの直接事業費の対象となることになった。
しかし、本報告書では、モニタリング時の調査内容を基にしているため、当時JPFの支援対象として現地で説明を受けた「図書箱」及び「移動図書館」活動の一部を対象としている。


4.第一期との変更点、改善が必要と思われた点等

第一期事業は実施されていないため、特になし。


5.変更申請されたプロジェクト(詳細は支援プロジェクトに記入)

モニタリング時点で変更申請はなし。
モニタリング後の6月20日の時点で、事業期間、配布先、配布物資配分についての変更申請あり。


6.モニタリング所見

  1. プロジェクト所見
    • 子どもに対する大半の支援が学校環境の整備など基本的な支援に留まる中で、低年齢の子ども達を対象に身近で精神的安らぎの場を身近に提供している点で独自性が高く、インパクトも大きい。行政や他NGOの支援活動ではカバーされていない、重要な支援が行われている。また、図書館活動、図書箱の配布によって、被災コミュニティが強化されるきっかけともなっている。
    • 図書箱セットは移動可能なパッケージとなり、本もハードカバーであるため、今後も長期的に使用され、持続的な効果が期待される。
    • 他資金と組み合わせることで、JPF事業期間内だけではなく、その後のフォローアップ、被災者の自立の過程を視野に入れた、息の長い支援に配慮されている。
    • 当初予定されていた1箱あたりの図書箱の冊数が減少していたため、直接事業費の割合がかなり低くなることが懸念されたが、モニタリング調査後に提出された変更申請では、仮設図書館活動や修繕・入れ替え用にも図書が充当されることになり、計画通りの冊数の本が購入される方向で、事業が組み直されている。
    • しかし、上記変更申請はモニタリング後に決定されたものであり、モニタリング時は「図書箱」の一部のみがJPFの支援対象であったため、「仮設図書館」への図書転用分など追加された活動の詳細は調査対象外となっている。


  2. 必要なアクション、是正措置
    他資金と組み合わせた事業であるので、東京本部と現地事務所間で十分に調整したうえで、事業進捗を管理し、事業内容変更については、事業期間の終盤に行われたモニタリング調査の事後ではなく、事業の中盤で練り直すことが望まれる。


7.総括

SVAが長年行ってきた図書館活動を、移動図書館活動と図書箱を設置を組み合わせることで緊急支援にうまく適用し、被災者児童の精神面の改善に貢献している。仮設図書館設置など他資金による事業とJPF事業がうまくリンケージされ、包括的であり、長期のインパクトに対する配慮の高い事業である。


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