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スマトラ島沖地震支援事業 第二次中間モニタリング報告書
特定非営利活動法人 ジャパン・プラットフォームNGOユニット
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7.モニタリング・視察結果


2004年(平成16年)12月26日に発生したスマトラ島沖地震及び津波による沿岸国の被災者への支援を目的に、ジャパン・プラットフォーム/政府供与資金を活用してジャパン・プラットフォーム(JPF)参加NGOが4カ国において、緊急支援事業を実施した。平成17年2月に、第一次モニタリング事業を実施し、初動調査に基づいた承認計画との整合性の確保とともに、支援ニーズへの対処という観点から弾力的な事業実施の実態について調査した。今回は、下記を目的として、事業実施中のモニタリング調査を、2005年6月から7月にかけて実施した。


<モニタリング>

7−1.【スリランカ】「トリンコマレー県環境整備等事業」:JCCP

  • 調査日:2005年6月5日〜8日
  • 調査団体名:JCCP
  •  
  • 記入者:桑名 恵、児玉 光也
  • 調査国・地域:スリランカ共和国 トリンコマレー県、アンパラ県
  • モニタリング方法(聞き取り、訪問等):日本人スタッフ、現地スタッフ、パートナーNGOスタッフ、受益者へのインタビュー、事業サイト訪問
  • 面談者:
  1. 菅谷 渡氏   JCCPスリランカ代表
  2. 大上 博史氏  JCCPアンパラ事務所 プロジェクトマネージャー
  3. 草道 裕子氏 JCCPアンパラ事務所 コーディネーター
  4. 鈴木 惠理氏  JCCPトリンコマレー事務所 コーディネーター
  5. Mr. S.M. Anifa RDF Assistant Secretary
  6. Mr. J. Fayis    RDF アンパラ事務所District Manager
  7. Mr. D.K.Jayantha Bandara JCCP トリンコマレ事務所(セワランカから出向)
  8. 受益者、受益者候補者、キャンプ住民
  • 調査・訪問箇所:
  1. アンパラ県 RDF/JCCP事務所
  2. アンパラ県 カルムナイ市ニーラワネキャンプ、マッカマディーキャンプ、アル・アミーンキャンプ、APCキャンプ
  3. アンパラ県 資材保管場所
  4. アンパラ県 研修開催地(女性開発センター、Women’s Research Forum)
  5. トリンコマレー県 セワランカ/ JCCP事務所
  6. トリンコマレー県  サリー村 バライマナル村、ネルソンプラ・レールウェイ村, サムドラガマ村, ペリヤッタムナイ村、サンディコブ村、スメダンカラプラ被災民キャンプ建設予定地
  7. トリンコマレー県 資材保管場所
  8. トリンコマレー県 セワランカ事務所 研修開催地(セワランカ事務所)

1.事業目的

 第二期事業 (1):被災民の住環境、および衛生環境整備(トリンコマレー県)
 第二期事業 (2):住民参加型の復興による就業、収入機会の再生(トリンコマレー県、アンパラ県)


2.現地事情:(申請書、添付資料より要約)

トリンコマレー県:
 トリンコマレー県の被災者は国内の県で4番目であり、甚大な被害を受けた。いまだ25,000人が避難生活を送っているが、その大多数に緊急支援物資は行き渡り、仮設シェルターの建築速度も加速している。しかし、仮設シェルターに住む被災者たちの多くは、公共インフラの破壊と収入機会の損失により、生活の立て直しが困難な状況にある。
 2005年5月上旬から、政府の津波被災者支援政策の遅延に対する地域住民による抗議行動や民族間の摩擦に起因する抗議行動など予測不能な事態が散発的に続き、支援活動にも影響を与えている。

アンパラ県:
 スリランカ国内最大の被害を受けた地域であるが、援助団体の数が少なく、トリンコマレー県よりもさらに支援が行き届いていない状況である。被災者の大多数には、緊急支援物資が行き渡り、仮設シェルターの着工数も増加しているが、地場産業が打撃を受け、収入機会が失われたことで生活の建て直しが困難となっている。


3.事業概要:(プロポーザルより)

第二期事業(1):トリンコマレー県の被災の度合いが大きく支援が行き届いていない7村(第一期事業対象地3村においては、下記E,F,Gの支援)に対する住環境及び衛生環境整備。A 避難用簡易シェルターの設置(3村) B住宅修理(3村)C 共同トイレ及び個別トイレの設置 (3村)D 基礎生活用品・衣類の配布(2村) E給水設備の設置(3村) F 村内接続道路の補修(4村) G 仮設避難所兼公民館の設置 (3村)H仮設校舎の設置及び学用品支援(1村のみ)

第二期事業(2):トリンコマレー県の第二期事業対象地5村及びアンパラ県の5村において、世帯の就業や産業機会の回復を行う。単に物品の支援を行うのみではなく、収入の一部を積み立て、裨益者を増加させる「拡大再生産方式」を取り入れた上、「村内協働促進訓練コース」の実施を通してコミュニティリーダーを創出し、住民参加型の自主的な復興の仕組みづくりを促進する。(具体的な支援内容:トリンコマレー県 (1)漁船ボート、船外機、魚網類の支給、(2)裁縫職業訓練コースの開設、(3)村内共同促進訓練コース
アンパラ県 (1)漁船ボート、船外機、魚網類の支給、(2)伝統機織産業の再生支 (3)左官・石工職再生支援 (4)大工職再生支援 (5)脱穀機の支援 (6)移動商店職の再生支援 (7)村内協働促進訓練)


4.第一期との変更点、改善が必要と思われた点等

第二期事業(1)においては、第一期事業対象地において対応できなかった、給水設備、道路建設、公民館設置が支援メニューに追加された。さらに支援の必要性の高い3村を支援対象地に加え、総合的な住・衛生環境整備が実施されている。第二期事業(2)においては、第二期事業(1)の対象地及びアンパラ県において、被災者の収入機会を向上に資するソフト支援が実施されている。


5.変更申請されたプロジェクト(詳細は支援プロジェクトに記入)

トリンコマレー県:
他国際NGOとの重複による事業地の一部(1村)変更 タミル人の抗議運動(ハルタール)による治安悪化に伴う遅延による事業期間の延長

アンパラ県:
漁船ボートの納品等の遅れによる事業期間の変更


6.モニタリング所見

  1. プロジェクト所見
    • 第二期(1)では、第一期で盛り込まれなかった、住・衛生環境整備においてニーズの高い水道整備、道路、公民館の整備、学校の修復の支援メニューを加え、第一期と同じ事業地(3村)及び支援が行き届いていなかった3村に対して、総合的な環境整備を目指している。
    • 第二期(2)では、緊急から復興の移行時にニーズが高まる生活手段再建の支援を、適正なタイミングで捉え、事業が開始されている。漁業のみならず、裁縫、麺作りなど女性への就業機会の回復も含まれており、被災者の多様な環境が配慮されている。
    • 第二期(2)では、プロジェクトのコンセプト、デザインは現地の状況に適合し質の高いものであるが、拡大再生産方式の管理運営など、3ヶ月という事業期間では達成困難な内容が盛り込まれているため、事業後のフォローアップが必要である。事業期間にあわせるため、事業運営の過程を急いでいる点が懸念される。
    • トリンコマレー県では、第二期(1)、(2)を合わせて、相乗的な効果が期待される。


  2. 必要なアクション、是正措置
    • 第二期(2)の事業はニーズが高く、重要な支援であるが3ヶ月では最終目標達成が難しいため、長期間のかかわりでフォローアップ事業を継続することが望まれる。
    • 3ヶ月という事業期間に沿った事業計画ではなかったものの、ニーズと現地事情を的確に捉え、巧みにデザインされたプロジェクトである。緊急から復興時期にかけて、生活手段再建事業のニーズは高いため、審査側は事業内容やニーズに沿って柔軟に長期間の事業展開(1年以上)を認めるか、または事後の資金にリンクさせるなどの対策を講じて、これらのニーズに対応する必要があると考える。
    • 申請書においては、最終的な目標のみではなく、事業期間に達成見込みの目標設定を明記し、事業期間では達成困難な点においてはその後のフォローアッププランを示すことが望まれる。


7.総括

  • 第一期、第二期(1)、(2)を合わせて、住居、衛星環境整備、生活物資配給、キャンプ内のインフラ整備、及び生活手段再建の支援を組み合わせ、確立された執行体制の中で、総合的な支援を試みており、画期的なプロジェクトが展開されている。
  • 事業地は、コロンボから離れて支援団体の少ない、民族間対立など紛争の種のあるトリンコマレー県アンパラ県の2県が選択され、高いニーズに対応した事業である。
  • 第二期(2)の事業においては、事業期間内に最終目標達成が難しいため、引き続き長期のフォローアップが求められる。

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