ADRA Japanは、1月11日より南アンダマン島ポートブレア周辺において、テントなどの緊急支援物資の配布、及び感染症予防教育をおこなってきた。南アンダマン島ポートブレアは、アンダマン・ニコバル諸島の玄関口になり支援の手はここから広がっていった。そのため、ポートブレア周辺では十分な支援活動がおこなわれている。しかし、南アンダマン島から離れた島々は船でしかいけないということもあり、支援が行き届いていない。そのため、ADRA Japanはアンダマン・ニコバル諸島でもっとも被害が大きいといわれるニコバル諸島、そしてリトル・アンダマン島での支援を検討。ニコバル諸島は入域の規制が厳しく現地支部であるADRA Indiaが担当することになり、ADRA Japanはリトル・アンダマン島での活動を決考え、2月4日からADRA Japanスタッフが調査に入った。そして、現地の必要性を確認、行政とも話し合いを重ね、リトル・アンダマンでの活動を決定した。居住地が海岸近くにあったため行政からの要請である仮設住宅建設などに、南アンダマン島でおこなった感染病予防教育を組み合わせ、病気の発生が多くなる雨季に備える。
リトル・アンダマン島の被災者の自立を促し、住居、医療、生活必需品などの面から、彼らが元の生活環境に戻れるよう、下記の項目を目的として支援をする。
事業地: リトル・アンダマン島
目的1: 雨季に備え、現在キャンプでテント生活を強いられている避難民のため仮設住宅の建設
目的2: 仮設住宅地のコミュニティのための保健所建設
目的3: 仮設住宅地のコミュニティのための井戸建設
目的4: 避難民キャンプまたは仮設住宅地で感染症の発生を防ぐため、視覚教材を使った感染症予防教育(前事業からの継続)
1. 仮設住宅建設(500世帯)
政府は雨季が始まる前までに、ハット・ベイにて2,050件の仮設住宅の建設を行うことを表明した。政府は土地、資材、建設計画等を提供し、NGO(5団体)が協力し、実際の建設を行う(添付資料参照)。ADRAは500世帯の建設を請け負う。
行政は、土地、資材を準備、NGOは工具、人材を準備し、建設する。
ADRAは、建設の職人50人を雇用する。職人10人と1チームとなり、1チーム100軒の仮設住宅を建設する。なお、1軒当たり、10人のUnskilled Laborを雇用し建設を手伝う。
建設場所に関しては、現在行政の中で調整しており、2月25日には発表される予定になっている。
2. 仮設(Intermediate)保健所建設(3件)
Harminder Bay、Netaji Nagar、Ramakrishnapur地域の保健所(サブ ・センター)が被害を受け、各所でのサービスの提供が滞っている。ハット・ベイ中心地にあるプライマリー・ヘルス ・センターは現在、政府により修復作業が行われているものの、仮設住宅地は郊外のジャングルを切り開いて建設されるため、そこに住む避難民がアクセスできる仮設保健所の建設は必要不可欠である。
この仮設保健所は仮設住宅の居住区において診療所の役割をおう。場所に関しては、仮設住宅と同じく行政との調整の上、決定される。
なお、行政の計画では、仮設住宅と仮設保健所は、行政が定める期間(2年くらいの予定)後、撤去し、仮設居住地となっていたところは、植林など行いもとの自然に戻す予定である。そのためできるだけコンクリートを使わない方法で建設をおこなう。
3. 井戸建設(10本)
これまでハット・ベイの多くの住民は飲み水・生活用水として井戸水を使用していたが、地震・津波により多くの井戸が破壊、または汚染されたため、2月15日現在も政府が各キャンプへ飲み水を配給している。汚染された井戸の浄水作業を予定しているNGOはいるが、仮設診療所と同じく仮設住宅地はジャングルを切り開いて作るため、井戸(水の確保)が必要となる。仮設住宅地に10本の開放井戸(Open well)を建設する。
建設場所は、仮設住宅と同じく行政との調整の上、決定される。
4. 伝染病予防教育(避難民キャンプ6,000人+コミュニティー)
プロジェクターを使い視覚を通して、家庭でできる浄水処理方法や、健康・公衆衛生の知識を広める。特に母親と5歳から12歳の子供を対象に伝染病予防の教育を提供する。雨季が始まり、蚊も増加し、衛生への配慮が更に必要とされる。
4月中旬までは避難民キャンプを巡回、その後仮設住宅地とコミュニティを巡回する。感染病予防教育は3回で1セットとなっているが、各所毎回、出席者名簿を作成し、出席管理をおこなう。
【最終裨益者見込数:24,000人】
|