-
戦略的アカウンタビリティのフレームワークを用いての
アカウンタビリティ・システムの構築を目指して
−ジャパン・プラットフォームの事例−
ステークホルダー・ヒアリング結果 Think the Earthプロジェクト事務局(TTE)
■ ヒアリング概要
日 時:2006年4月6日(木) 14:00〜15:00
場 所:TTE東京事務所
参加者:原田(TTE)、香川(TTE)、谷口(JPF)、金の計4名
■ TTEプロジェクトについて
Think the Earthプロジェクトは、「エコロジーとエコノミーの共存」をテーマに、ビジネスを通して社会に貢献する仕組みを提供し、世界中の企業や個人が参加して、ひとりひとりが地球のことを考えるきっかけを作っていくことを活動テーマとする、非営利プロジェクト。
これまで企業とのコラボレーションなどにより、「地球時計 wn-1」、写真集「百年の愚行」、書籍「1秒の世界」など、環境問題、社会問題をテーマにした商品を数多く製作している。
■ ヒアリング結果
- 企業のNGOに対するスタンス
NGOとの協働を模索している企業が増えており、TEにもよく相談が寄せられている。TTEから企業に情報提供する際は、各団体のHPを見ながら、情報の精度やアカウンタビリティに対する考え方を精査し、パートナーとしての適性を判断する場合が多い。また、企業もHPをNGOを知るための入り口としている。
- 会計戦略
特に緊急支援の場合、結果的に集められた寄付、資金がどのような配分で使われたかがわかることが、次の寄付にもつながるのではないか。
JPFは緊急支援に特化しているが、これまでの経験則から事業規模別(被害規模別)の緊急支援費用を算出できるのではないか。各規模に応じた金額が定まれば、事前に事業計画を策定した上で、初動対応を行うことが可能だと考える。
支援時に発生する事業費については、直接費・間接費という大きな枠の中で支援物資などは細目毎に内容を公開し、それ以外の費目(事務局費、人件費、輸送費など)は、合算金額を明示すれば十分だと考える。
たとえば、1千万円の事業規模であるならば、その振り分けとインパクト(裨益者数などの効果)をセットで情報提供することが望ましい。
重要なのは、一般の人々にも理解可能な程度の項目で情報を提供することである。
- メディア戦略
パキスタン地震時を始め、その他の緊急支援時のAMDAは情報発信が早く、かつ、頻繁だったため、メディアに効果的に取り上げられたが、今後はこのような戦略的情報発信を行えるNGOが増えることを望む。
JPFのメディア戦略については、3つの方向性があると考える。
自然災害や戦争・紛争などの「報道情報」は、JPFがHPをプラットフォームとして提供し、各NGOによる情報発信を行うことにより、メディアにとっての情報リソースとなり得る。
また、緊急支援活動を行うことの重要性、支援活動が現地および日本にもたらす効果などについて、JPFとして情報発信をすることにより、「アドボカシー」としての役割も果たすことが可能だと考える。
最後に、「JPFだからできること」の広報活動として、これまでの企業との連携の実績を事例としてわかりやすく紹介することで、JPFの独自性と企業との連携をアピールすることが考えられる。この広報活動は、JPFおよび支援企業の説明責任も果たすことになる。
以上
|