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CONTENTS
●目次
●第1章
●第2章
●第3章
●第4章
●第5章
●第6章
●実施項目一覧
▼添付資料一覧
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戦略的アカウンタビリティのフレームワークを用いての
アカウンタビリティ・システムの構築を目指して
−ジャパン・プラットフォームの事例−
NGOヒアリング結果(WVJ)
■ ヒアリング概要
日 時:2006年2月27日(月) 16:00〜17:00
場 所:WVJ東京事務所
参加者:池田(WVJ)、谷口(JPF)、金の計3名
■ 略称
外務省=外、経済界=経、学識界=学、民間財団=民、地方自治体=地、学生ネットワーク=生、UN・国際機関=国、メディア=メ
■ ヒアリング結果
- JPFのアカウンタビリティに対する理想イメージ
<ステークホルダーとのつながり>
- 外:
- 資金の提供によるつながりのみ。政府には単なる人道支援という認識から脱却して、各国に対する姿勢を明確にし、外交戦略を絡めた支援を行うことを望む。諸外国ではODAドクトリンに沿って政府の外交戦略と人道支援がリンクしている。また、WVJはインドでの支援を展開したが、NGOが現地で支援活動を行うことにより、日本政府ができなかった2国間支援の役割を果たすことができたと認識している。
- 経:
- 現地でのテンポラリー・シェルターは政府資金で購入し、その他の周辺物資については自己資金で調達したため、経済界からの支援は受けなかった。
- 学:
- 評議会でのつながりが主である。ただ、別ミッションで派遣された学識界の人がWVJの支援状況を視察に来てくれたことがある。
- 民:
- 特につながりはなし。
- 地:
- 特につながりはなし。
- 生:
- 特につながりはなし。
- 国:
- インドではユニセフからWAT/SAN用のタンクの提供などを受けた。インドネシア・アチェ州では、WFPと提携関係にあったが、いずれもJPFのスキームではない。
- メ:
- 日本でのつながりは特になし。インドではADRAと共同記者会見を行い、現地のナショナル新聞にも掲載された。その際、プレスリリースを在インド日本領事館から発信してもらった。また、記者会見も領事館で行った。2国間支援など、政府レベルでの支援が行われない中、NGOが日本の顔としてメディアに登場したことは意義があったと考える。
<アカウンタビリティの理想イメージ>
ステークホルダーによって利害関係のあり方が異なるので、誰に対してどのようなアカウンタビリティの義務を負っているのか明確にすることを望む。各ステークホルダーに対するアカウンタビリティ・スタンダードを設定すべきだと考える。
また、現状では支援のプロセス(方法論)にフォーカスしていることが否めない。今後は報告書の中にも支援のインパクト(波及効果)をもっと記載できるようにし、成果重視の形式にすべきだと考える。
最後に、もっとも見落とされがちな受益者に対するアカウンタビリティを、もっと明確に規定し、支援のインパクトについてはより厳しく審査すべきだと考える。
- 理想イメージと現状とのギャップ(課題)の抽出
<アカウンタビリティ活動を行うにあたって課題となったこと>
事業の副次的なものとして得られるべき学び(Lessons Learned)を得ることができなかった。現状は評価ミッションの後に学びが共有されることが多いが、今後はNGOが集まってワークショップを開いて、事業を通じて学んだことを議論し、ステークホルダーと共有すべきだと考える。例えば、グローバルスタンダード(i.e.スフィア・スタンダード)と現地政府による規制の間にギャップが生じた際、JPFを通じて現地政府にアクションを行うことも可能だと考える。
- 目指すべき方向性
<NGOが考える各ステークホルダーへの理想的なアカウンタビリティ活動>
- 外:
- 税金を有効に使うことに注力しすぎである。何を最終的な指標とするのかを明確にすべきだと考える。現状のガイドラインは事業申請時に適用されるが、モニタリング時にシフトすべきである。また、現地のニーズに柔軟に対応できるガイドラインの策定が急務だと考える。
- 経:
- 物資支援を通じて企業とNGOがもっと関係性を深めるべきである。企業は物資をJPFに提供した時点で関係性が終わると認識することが多い。一方で、JPFやNGOは物流面や受益者への物資配給面ではいまだに多くの課題を抱えている。今後は企業とNGOがもっと議論を行い、現地での配給まで含めた包括的な関係性を構築すべきだと考える。
- 学:
- スーダン支援では地域コンソーシアムによる勉強会を行い、現地勢力図や宗教的・文化的にタブーとなる行為について学んだ。このような連携を仕組み化すべきだと考える。自然災害などの緊急支援時にはこのような連携は難しいが、スーダンのように現地の問題自体に歴史があり、長い時間をかけて支援準備を行えるような場合には、学識界との連携は有効に機能すると考える。
- 民:
- 海外の財団はNGOのキャパシティ・ビルディングに資金を提供する場合が多い。今後は笹川平和財団のように、NGOワークショップやアカウンタビリティのためのスタンダード・セッティングのために資金を拠出してもらえるよう、関係性を構築すべきだと考える。
- 地:
- まずは関係性を構築することが大事だと考える。
- 生:
- まずは関係性を構築することが大事だと考える。
- 国:
- 情報の共有を徹底すべきである。JPFを通じた資金は短期的なものが多く、その後の支援活動は自己資金もしくはUN・国際機関とのIP契約によって行われているのが現状である。緊急時当初から情報を共有し、次のステップを一緒に考えることによって、円滑に支援の継続が図れると考える。
- メ:
- 現状はJPF側とNGO側の2方向によるメディア・アプローチになっている。JPF側が出す情報にはNGOの名前が出ないことがあり、その逆もある。この状況を打破するためにも、メディア懇談会のあり方を含めて戦略的にメディア・アプローチができるよう議論すべきだと考える。
- 今後の活動計画(案)
- ポジション・ペーパー
支援対象国でどのような支援を行い、その結果、どのような問題を解決するのか、NGOが集まって意見集約を行うべきである。自然災害のような緊急支援では難しいが、スーダンなどのSlow on Setの支援であれば可能だと考える。
- ガイドラインの整備
要求事項を明確にするべきだと考える。現状は、JPFの加盟時期によって、各NGOが保有している情報に差がある。
- JPFとしてのポリシー
事業の優先順位を明確にすることを望む。例えば民間資金による支援内容がソフト面のものが多い場合に、後回しにしてもいいのかなど、緊急支援時の優先順位を明確にすべきである。
- 良い事業を行うためのキャパシティ・ビルディングの必要性
NGOが効果的なアカウンタビリティを果たすためにも、キャパシティ・ビルディングは必要だと考える。例えばUSAIDは国際スタッフだけでなく、ローカルスタッフにまでキャパシティ・ビルディングを行っている。
- 団体独自のアカウンタビリティ
財務部とは別に、海外事業部に国際財務課を作り、会計士などの専門資格を持つ職員が、現地から送られてくる月報などを監査している。この仕組みにより、海外事業部と財務部による会計のダブル・チェックを行うことができる。将来的にはこの職員を現地へ派遣することも考えている。
以上
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