JCCP
The Japan Center for Conflict Prevention

事業計画書

トリンコマレー県
  環境整備等事業


セワランカ財団・
  JCCP戸別調査結果


他援助団体対応状況

スケジュール

事業地域・写真PDF

事業地域・地図

トリンコマレー県環境整備等事業
ニーズ調査・事業概要

事業目的:スマトラ島沖地震・津波被害により甚大な被害を受けた
スリランカ東部トリンコマレー県4ヶ村の緊急生活・復興支援
事業概要:
  1. 経緯
    平成16年12月26日、スマトラ島沖で発生した地震による津波の被害のため、スリランカでは平成17年1月3日現在までに、29,957人の死亡者が確認され、また861,016人の国民が住居を失った。

    The statistics of persons affected by the Tsunami as at 3rd January 2005 at 10.00hrs is as follows:

    District

    Deaths

    Injured

    Missing

    Displaced

    Colombo

    76

    12

    19,872

    Gampaha

    7

    32,000

    Kalutara

    213

    421

    48

    37,595

    Galle

    4,101

    2,500

    120,000

    Matara

    1,205

    8,288

    404

    41,900

    Hambantota

    4,500

    27,351

    Ampara

    10,436

    120

    183,527

    Mullaitivu

    3,000

    2,500

    1,300

    24,557

    Batticaloa

    2,264

    1,106

    1,050

            185,637

    Trincomalee

    947

    327

    86,054

    Killinochchi

    560

    1,020

    63

    50,000

    Jaffna

    2,640

    541

    540

    48,729

    Puttlam

    4

    850

     Vavuniya *

    4

    169

    2,000

    2,944

    Total

    29,957

    16,665

    5,744

    861,016

    Source : District Secretariats

    日本紛争予防センター(以下、JCCP)は、過去に「宗教間平和会議(平成13年10月)」、「市民平和会議(平成15年3月、平成16年4月)」等、共同プロジェクトを行っている現地NGOのセワランカ財団と連携して、トリンコマレー県でも最も多くの家族が住居を失った、「Town and Gravets」DS Division(郡)の中でも、被害の大きかった4ヶ村 (Salli村、Samudragama村、Vellaimannal村、Nachikuda村)に対し、緊急的に仮設施設等の設置・修復及び日常品配給事業を行う。

  2. 現地事情
    トリンコマレー県は、86,054人が津波の影響で住居を追われ、これは国内の県では4番目に多い数字となっている。とりわけ、トリンコマレー県内でも、11あるDS Division(郡) においても「Town and Gravets」 DS Divisionには19の国内避難民キャンプに16,833人が収容されている。彼らの大多数には食料は行き渡っているが、給水施設などが十分でない状況にある。
  3. 対象
    12月29日から31日までの間実施した現地調査の結果(スリランカ代表代行野田朋子、ローカルスタッフ3名)、対象は、トリンコマレー県「Town and Gravets 」DS Divisionの中の村でも被害の度合いが大きく(村のほぼ全てが崩壊)、かつ援助が行き届いていない比較的小さな村4ヶ村にターゲットを絞った。
    なお、対象地域の選定にあたっては、民族的要素を考慮して、タミル人の村、シンハラ人の村、ムスリムの村、シンハラ・タミル・ムスリム混合の村を1村づつ選定した。
  4. 内容
    上記3.の対象地域において、別紙1のセワランカ財団・JCCPの戸別訪問調査の結果に基づき以下の支援を行う。
       (1)仮シェルターの設置、住宅の修復
       (2)戸別トイレ、共同トイレの修復
       (3)台所用品、衣類・その他必需品、水・食糧の配布

    (1)仮シェルターの設置、住宅の修復
    現在、トリンコマリー県「Town and Gravets」 DS Divisionには、16,833人の人々が、19のキャンプに避難している。プライバシーの確保がしにくいキャンプにおける過密な生活環境は、ただでさえ被害によってトラウマ、不安、悲しみを抱えている避難者の精神状況を更に悪化するのみならず、衛生状態の悪い集団生活による感染症の蔓延が心配される。このような状況を回避するため、対象地域において、住居が全壊してしまった家族用に仮シェルターを設置し、また半壊した住居の修理(ブリキ屋根の取り付け等)を行うことにより、避難者が帰還できる体制を整える。

    (2)戸別トイレ、共同トイレの修復
    劣悪なキャンプ生活のもと、避難者のなかには、黄熱病や下痢にかかっているものも少なくない。今後、2次感染等を引き起こさないためにも、衛生インフラの整備を行うことは必要不可欠となっている。このような観点から、損害のあった各家庭のトイレを使用できるよう、基礎のコンクリの修復、ブリキ板で周りを囲む等、簡単な修復作業を行う。また、対象地域において損害のあった、多くの住民が使用する共同トイレの修復も同時に行う。

    なお、上記(1)及び(2)に関しては、セワランカ財団ローカルスタッフ5名
    ( Salli 村2名、Samudragama 村1名、Vellaimannal 村1名、Nachikuda 村1名 )の監督・指導のもと、一部を除き、住民自らが作業に従事し、建設及び建設後のメンテナンスを行うこととする(技術的に住民には無理な作業は技術者(1村あたり5名‐Salli村のみ10名))が行う。
    また、シェルターの設置は基本的に被害前と同じ場所に行われることになるが、本件に関しては、今後トリンコマレーGovernment Agent(県の行政官)との協議により決定されることとなる。

    (3)台所用品、衣類・その他生活必需品、水・食糧の配布
    災害によって、対象地域の住民のほとんどは全ての財産を失ってしまい、日用品等を新たに購入する資金も当然ながらない。このような状況のなか、生活基盤の整備を行うべく、現在対象地域にて最も必要とされる台所用品、衣類・その他生活必需品及び水・食糧の配布を行うこととする。

    第1週

    第2週

    第3週

    第4週

    第5週

    第6週

    国際スタッフの派遣、人員の雇用、現地拠点整備、現地職員雇用、車輌借料
    仮シェルター建設
    住居修理
    個別トイレ修理
    共同トイレ修理
    台所用品・衣類・その他日常品の配布
    水の配布


  5. スケジュール
    上述緊急支援事業を通じ、現地でのニーズをさらに把握し、今後復興支援事業として、当該地域における井戸の改修、道路の修復、コミュニティーセンターの修復のニーズ及び周辺地域の復興ニーズを調査し、復興支援に繋げられるか検討することとする。

    報告者:日本紛争予防センター

        スリランカ代表代行

        野田 朋子