2016年2月29日~3月4日、「INEE教育ミニマム・スタンダード・トレーナー養成研修」を米国・ワシントンD.C.にて開催
イベントレポート
Session14: Presentation Skills
「効果的なプレゼンテーションとそのスタイル」
研修4日目、「INEE MS研修の計画とファシリテーション(Planning & Facilitation an INEE MS training)」のセッション(※参照:Day4, Session13)に続き、プレゼンテーションスキルについて学びました。
休憩後に行われたセッションは、セッション時間が変更されたことを突然言い渡されたファシリテーターが、異常にあたふたするという場面から始まりました。一瞬、参加者に緊張が走りましたが、実はこれは悪い例をデモンストレーションするための寸劇だったのです。ハプニングがあったとしても冷静に自信を持ってセッションを進めること、そのためにもしっかりと準備をしておくことが如何に重要であるかが説明されました。
また、メラビアンの実験結果が紹介され、メッセージを伝える上で非言語コミュニケーションが非常に重要であるということを学びました(メラビアンに拠れば、一定の条件下で行われた実験では、コミュニケーションの3つの要素、即ちボディランゲージ(視覚)、声のトーン(聴覚)、言語がメッセージ伝達に占める割合は、それぞれ55%、38%、7%)。
さらにプレゼンテーションのコツについて簡単なレクチャーを受けた後、実際にプレゼンテーションを行う練習が行われました。参加者が一人ずつ決められた時間内でプレゼンテーションを行い、それを見ている他の参加者たちが、チェックリストを使いつつ、ボディランゲージ、姿勢や立ち振る舞い、声の大きさやトーン、話す速度、アイコンタクトなど、様々な点から観察し、最後にフィードバックを行うというものです。プレゼンテーションの準備時間は全くなかったのですが、本研修が講師を育成するという目的のもので、それに参加しているというだけのこともあり、参加者の多くはプレゼンテーション慣れしていて、どれも素晴らしいものでした。印象に残ったのは、皆がそれぞれ個性的なプレゼンテーションのスタイルを持っていたことです。そして、普段はそれほど深く考えていなかったことですが、その人に合ってさえいれば、ちょっとした工夫をするだけで、そのスタイルが効果的なプレゼンテーションになり得ると考えさせられました。
なお、私のプレゼンテーションは、何の考えもなかったトピックを見切り発車で話し始めたため、話の内容、展開、時間配分などが滅茶苦茶になってしまいました。あたふたした状態のまま終了してしまうという有り様で、このセッションの始めに説明された「準備の重要性」を痛感するセッションとなりました。
佐藤 収
(公社)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)
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イベント概要
ジャパン・プラットフォーム(JPF)は、「TOMODACHI NGOリーダーシップ・プログラム」(※)の一環として、「INEE教育ミニマム・スタンダード・トレーナー養成研修」を、来年2月29日~3月4日の日程で米国・ワシントンD.C.にて開催します(共催:米国NGO団体Mercy Corps)。
これは、昨今の世界情勢や緊急人道支援の性質と傾向、また以前よりJPF加盟NGOから寄せられていたトレーニング開催への高い要望を鑑み、JPFが教育分野における国際的なミニマム・スタンダード(INEE)についての学習機会の提供を模索してきた結果によるものです。
本研修参加者は研修終了後、トレーナーとして年度内に日本にて約2日間の研修を実施していただくことになります。よって、緊急教育支援に従事した経験を持ち、かつ日本での普及活動に意欲的な方を対象に開催すべく、研修内容や参加者の応募資格、条件等については鋭意調整中です。詳細決定次第、随時ご案内いたしますが、ご関心のある方は直接下記窓口までお問い合わせください。
INEE教育ミニマム・スタンダードとは:
緊急教育支援の情報ネットワーク(Inter-Agency Network for Education in Emergency : INEE)が策定した緊急時の教育におけるミニマム・スタンダードです。INEEの運営には、UNHCE、UNICEF、UNESCO、USAID、World Vision Internationalなどが入っており、国際的に認知されている基準です。本スタンダードは、ハリケーン・台風・地震・洪水などの「自然災害」と紛争や内戦によって引き起こされた「複合的な緊急情勢」に緊急的に対応するために設計されており、現在170ヶ国で使用されています。
参考:
INEE
http://www.ineesite.org/en/
INEEミニマムスタンダード
http://toolkit.ineesite.org/toolkit/INEEcms/uploads/1012/INEE%20MS%20Japanese_2010.pdf
内閣府HP:緊急時の教育のための最低基準とは
http://www.pko.go.jp/pko_j/organization/researcher/atpkonow/article033.html
※「TOMODACHI NGOリーダーシップ・プログラム」について:
「TOMODACHI NGOリーダーシップ・プログラム」とは、米日カウンシル(US-Japan Council)主導のTOMODACHI イニシアチブ、ならびにJ.P.モルガンの支援を受け、JPFが米国のNGO団体マーシー・コー(Mercy Corps)とのパートナーシップのもとに実施している研修事業です。東日本大震災におけるNGOの支援活動から得られた貴重な経験や教訓を活かし、日本のNPO/NGOが国内外でより効果的な人道支援活動を行うための能力強化を目的としており、2013年4月~2016年3月までの3年間で、人道支援に関するさまざまな研修を計画、実施しています。
研修概要
- 期間
- 2016年2月29日(月)~3月4日(金)
※この日程には、出発・帰国日は含まれていませんのでご注意ください。 - 渡航先
- 米国・ワシントンD.C.
- 費用
- 無料
※米国往復航空運賃(上限あり)、ESTA(渡航認証)申請費用、研修期間の保険料、米国国内宿泊費、日当(注)はJPFが負担します。
注)日当はMercy Corpsの規定額に基づき、米国ドルで支給されます。 - 定員
- 日本人10~15名 (外国からの参加者複数名)
※厳正な審査の上、参加者を決定します。 - 言語
- 英語
本件に関するジャパン・プラットフォーム(JPF)についてのお問い合わせ先
特定非営利活動法人(認定NPO法人)ジャパン・プラットフォーム
NGO能力強化研修プログラム担当:鈴木、谷口
E-mail:training@japanplatform.org
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-6-5 麹町GN安田ビル 4F
TEL:03-6261-4751(事業部直通) 代表:03-6261-4750 FAX:03-6261-4753