[2]調査結果 〈2〉現地調査NGOの活動状況 |
│難民を助ける会-AAR-│BHNテレコム支援協議会│ピースウィンズ・ジャパン-PWJ-│ │セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン-SCJ-│JEN│日本医療救援機構-MeRU-│ |
〈2〉BHNテレコム支援協議会 | |
◆団体名:BHNテレコム支援協議会 ◆プロジェクト:アフガニスタン難民支援事業に係わる通信支援 ◆期間:2001年10月20日〜2002年03月31日 ◆地域:パキスタン 国境近隣キャンプ・アフガニスタン カブール市 ◆実施責任者:篠原浩一郎 ◆現地インタビュー 友田MR ◆プロジェクト概要 a)パキスタン内アフガニスタン難民キャンプ支援活動準備(NGO登録、事務所設置、電話登録、衛星電話取得、無線免許取得など)ジャパン・プラットフォーム共同事務所通信機能立上のための共同作業、他団体支援。 b)難民キャンプにおける電話サービスの実施。 c)現地ローカルNGOに対する通信支援。 ◆プロジェクト実施状況 a)他団体のパキスタン入りとともに現地に入り、パキスタンでの諸手続等をすすめる。 b)通信立上として電話サービスの申し込み、事務所大家との交渉等も担当した。無線機を他団体(MeRU)に貸与、衛星電話も随時関係者に貸与した。同時に独自の通信技術力を活かした支援活動の可能性を調査し、下記d、eのプロジェクトにつなげる。 c)政府通信関係者、通信事業者からの聞き取り調査等による適切な機材選定の参考情報収集を実施した。 d)キャンプにおける電話サービスの実施。 1月19〜21日(Kotokaiキャンプ)、1月23日〜26日(shalmanキャンプ) 約600名を対象にした衛星電話による難民キャンプにおけるサービスの実施した。阪神大地震の際の経験をもとにした実証実験である。BHNの特徴を活かした支援である。支援受益者は海外ならびにアフガニスタン国内の親類・縁者の身元確認が中心である。1月東京復興会議で接触したCoARをパートナーとし、現地難民キャンプの選定、キャンプ立ち入り許可の取得、事前準備を行った。電話サービスは現地でのプラカードの掲示によりFIRST COME FIRST SERVE方式で行った。会話時間制限は3分。2回実施。電話サービス自体は自己資金でカバーした。 e)現地ローカルNGOでHF通信機による連絡体制を持っているところは少ないなかで地元NGO、CoARがカブール日本大使館に通信設備立上として草の根無償を申請した。この申請にあたり技術アドバイスパートナーとなった。現地ローカルNGOのキャパシティ・ビルディングのサポートとしてHF通信機の提供、設置支援(帯域調整等)、日本人技術者派遣、現地管理者の養成(現地ならびに日本での教育)等を計画し、HF通信機の提供、技術サポート、技術者日本招聘による訓練、ボランティア技術者の現地派遣等を検討した。当該草の根のサポートとしては駐在員1名、技術者派遣延べ6名、現地人スタッフ6人を予定している。 ◆考察 a)専門分野を生かした他のNGOへの支援 通信という専門性をいかした他のNGOに対する支援についてはニーズは高いと思われる。ただ通信のみにとどまらずOA全般の支援への分野拡大、世界標準の機器を使用する点も提供後の各団体の維持管理のために不可欠であり、UNHCRのオフィスキットのような世界標準キットを採用することも考慮対象とすることが望ましい。日本のNGOに不可欠な日本語環境や多様な現地通信事情に対応する必要があり技術力をいかしたカスタマゼーション等により独自色は充分に確保できるであろう。 b)緊急度の高い支援 現地通信事情を把握し、許認可について様々な手続きを行うことにより通信機器の導入においても時間を要することとなった。NGOが自前の通信局を開設するかレンタルの公衆サービスを利用するかとの選択のなかで並行的に準備し柔軟に対応することが緊急支援においては求められる。この点でBHNも様々なオプションを用意して対応した点は高く評価できる。緊急の最初のフェーズから現地に入り取り組んだ成果といえる。 c)技術ボランティアの短期派遣 今後会社OB、現役のボランティアによる技術者の派遣は派遣期間が数週間程度となるならば現地での受け入れ体制が万全である必要がある。ただし緊急時はそのような体制を構築することは難しい場合が多いので、より長期的な派遣を視野にいれた技術者の応援体制を構築することが臨まれる。 d)安全・ロジ面 技術支援のNGOであっても、安全面からは他のNGOと同等の対応が求められる。特に技術者が安全に関する知識・訓練を持っていない場合は後方支援に徹するか、自己のロジ体制を整備するか、他のNGO(ローカルNGOを含む)の安全・ロジ面でのサポートを受けながら現場での活動を行うことが望ましい。(今回はローカルNGOとの関係も構築しながら支援活動を行なっている。) ◆ジャパン・プラットフォームとの関係 ジャパン・プラットフォームより供与された資金は初動ならびに調査活動を対象としている。その際将来的に緊急無償ならびに草の根無償案件に結びつくようにとの付帯条件がつけられている。結果としてローカルNGOに対する通信インフラ整備の草の根無償案件が生まれ所定の目的を達した。 ジャパン・プラットフォームの他団体との協力関係については資材貸与、情報収集等で貢献した。現地通信許認可等の問題もあり非常に困難な面もあったが辛抱強く取り組んだ。 初動立上時に共同事務所には入ったが車輌等は借り上げとなったがロジ体制からみれば賢明な判断と思われる。事業の立ち上がり方はジャパン・プラットフォームの他団体より遅いがこれはBHNの事業ドメインの特徴から来るものであり、ジャパン・プラットフォームの通信系NGOとして今後も特徴をいかした活動が期待できる。 |
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