角田健一

角田健一

事業推進部 プログラム・コーディネーター

経歴

日本の大学を卒業後、アメリカの大学院で開発学(Development Studies)を修了し、NGOで2年間働いた後、国連開発計画(UNDP)のガーナ事務所に3年間駐在。国際協力機構(JICA)の専門家として、ラオスやニジェール、ハイチなどに赴任し、技術協力プロジェクトに携わったほか、コンサルティング会社に所属してJICAの事業を受託し、東南アジアやアフリカ諸国での調査経験も持つ。国内の福祉関連団体の勤務を経て2023年、JPFに入職。

担当する業務について、教えてください。

主に、「イラク・シリア人道危機対応支援」のシリアとパレスチナの「ガザ人道危機対応支援」、「イエメン人道危機対応支援」を担当しています。たとえば支援プログラムが立ち上がると、現地で活動を予定する加盟NGOから計画などを記した申請書が提出されるので、必要な支援を迅速に届けられるようにNGOと協力しながら内容を精査し、審査委員会への提出までサポートします。最終的には政府承認が得られるようNGOと政府の間をつなぐ役割です。

プログラムがスタートしたら進捗をチェックして、スムーズかつ効果的に支援が進行するように後方支援します。また、現地の状況や支援ニーズの変化によって計画に変更が生じた際は、変更申請の手続きに対応します。終了後は報告に齟齬がないかの確認もして、一連の流れをサポートします。

仕事でやりがいを感じること、大変なことは何ですか?

ニュースで見るような世界の人道危機、たとえばガザやシリアで起きた紛争災害の現場で、JPFの加盟NGOの皆さんが活躍し、助けが必要な人々に支援を届けられたことを実感したときです。また、開発援助の仕事をしていた時は、基本的には紛争が終わって比較的政情が安定している、いわゆる開発途上国で支援をしていました。JPFでは、そういった開発援助以前の紛争下や、災害で被災して普段の生活が送れないような人々に、今すぐ必要な支援を届けていく仕事なので、そのお手伝いをできるところにやりがいを感じています。

紛争や災害が起きて人々の命が失われることを考えると、「できることはしなければ」という使命感に駆られます。そのため、それほど大変には感じませんが、定時以外も必要であれば可能な限り対応するようにしています。危機が起きた時は、緊急で動かなければいけないこともあります。ですので、週末でも必要な情報はチェックするなど、ある程度、緊張感を持って日々を過ごしています。

JPFの良いところ、働きやすいと感じるところは?

JPFの雰囲気は和やかだと思います。コロナ禍を経て、在宅勤務などのフレキシブルな働き方ができています。IT環境が整備されているので、自宅からでも必要なファイルや情報にアクセスできますし、チャットや通話ができるアプリを使って他のスタッフとコミュニケーションを図ることも容易です。

業務に必要な語学力をどうやって身に付けましたか?

英語は中学まで得意科目でしたが、高校以降は成績が振るわず苦手でした。大学時代に進路を考える中で開発援助の世界に進みたいという気持ちが強まり、卒業後はアメリカの大学院に留学しました。当時は必死で勉強しましたし、若かったので吸収力もあったのだと思います。

その後、開発援助の仕事をする中でフランス語の重要性を実感して、カナダのケベック州に語学留学しました。アフリカで仕事をしたいなら、絶対できたほうがいいです。


日本を拠点にする現在は、特に英文を読むように意識しています。もちろん仕事で英語を使う機会は多々ありますが、やはり日本語メインにはなります。雑誌のThe Economistを通勤時間や余暇に読んで、海外の情報を得ながら英文に親しんでいます。リスニングは、スマートフォンのラジオアプリで、英語はアメリカに住んでいた地域のローカル局を、フランス語はRFI(Radio France Internationale)を毎朝聞いています。

ハイチ中央県教育省の研修にて。研修のねらいと重要性を説明(2018年撮影)

最後に一言、お願いします!

まずは、ご寄付など皆さまからご支援いただき、御礼を申し上げます。

私たちは日本という国に生まれてきたこと自体が、本当に幸せだと思うんです。人それぞれ苦労があるでしょうし、辛いこともあると思います。でも、この国に生まれたこと、それだけで多くの機会に恵まれています。

食料やエネルギー、資源など、日本はさまざまなものを海外から輸入することで生活が成り立っていますよね。だから、日本人である前にまず地球人というか世界人なのです。世界の一員であることを認識して、常に国内の身近なことだけでなく、海外のニュースなどいろいろな情報に関心を持って知ろうと思っていただければうれしいです。

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