深刻な状況にある「イエメン人道危機対応」への寄付アピールを強化~約220万人の子どもが栄養に関する緊急ケアを要し、46万2,000人が重度の急性栄養失調~

プレスリリース
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深刻な状況にある「イエメン人道危機対応」への寄付アピールを強化
~約220万人の子どもが栄養に関する緊急ケアを要し、46万2,000人が重度の急性栄養失調~ (PDFファイル 880KB)

特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(東京都千代田区/以下、JPF)は、紛争、貧困、自然災害等によるイエメンの深刻な複合的人道危機に対し、JPFの支援活動のための寄付アピールを強化します。

12月12日、国連児童基金(UNICEF)は、イエメンの医療制度が崩壊に近づいているとして、約220万人の子どもが急性栄養失調で緊急ケアを必要としており、うち少なくとも46万2000人が重度の急性栄養失調(SAM)状態にあると警告しました。この数は、2014年に比べて200%増にもなります。イエメンでは人口の約3分の1が医療にアクセスできず、医療施設の半分以上が機能しておらず、さらに、10分ごとに少なくとも1人の子供が、栄養不良、下痢、および気道感染症などの予防可能な疾患で死亡しています(以上※1)。

中東の最も貧しい国のひとつであるイエメンにおいて、人道危機が本格化したのは2015 年の3 月以降です。イエメン国内は政府側と反政府側の武装勢力同士が戦闘を繰り広げている状況に加えて、さらに、外部周辺国からの介入もあり、この機会を捉えてイエメン国内を不安定化させようとするイスラム過激派系の武装勢力や地域の部族勢力など、危機発生当時と比較して状況はさらに混沌としています。2016年7 月には、機関間常設委員会(IASC)などにより、イエメンは人道危機として最も深刻なレベル3にあると宣言されています※2。

現在、イエメンでは推定人口2,740万人のうち約7割の1,880万人が何らかの人道支援や保護を要しており、300万人が栄養失調状態にあり、450万人がシェルターと生活必需品を必要としています※3。また紛争を逃れるために周辺国に逃れた人々の数は179,661人にのぼり、そのうちジブチへ移動した人たちは36,162人と報告されています※4。JPFは2015年10月より、加盟NGOとともに、イエメンとジブチの紛争の影響を受けた人々に対し、命を守り繋ぐ活動を柱にすえた「イエメン人道危機対応」プログラムを展開しています。

すでに12月10日、JPFが加盟するEAA(The Emergency Appeal Alliance※5)のメンバーのうち、 イギリスのネットワーク、Disasters Emergency Committee(DEC)、 ドイツのネットワーク、Aktion Deutschland Hilft(ADH)も同様に、 イエメンの人道危機に対し緊急の寄付アピールキャンペーンをたちあげており、JPFでは現地状況や活動の様子の情報を共有しながら、今後のさらなるファンドレイジングのための連携体制を強化していきます。


©Rawan Shaif

JPF柴田裕子海外事業部長は「国連のイエメン人道支援対応計画※6で表明されている約1600億円の支援資金アピールにおける充足率は、2016年11月末時点で58%と、必要とされている支援活動が充分にできていない状況です。日本では知る機会が非常に少ないイエメンの人道危機ですが、深刻な状況が加速する中、JPFではEAAメンバーや加盟NGOと連携しながら、情報発信と寄付アピールに努めていきます」と述べています。

※1:UNICEF, "Malnutrition amongst children in Yemen at an all-time high, warns UNICEF",(December 12, 2016)
※2:IASC, L3 IASC System-wide response activations and deactivations"(September 23, 2016)
※3:OCHA, Yemen: 2017 Humanitarian Needs Overview (November 2016)
※4:UNHCR, Yemen Regional Update no.41, July 2016
※5:EAA(The Emergency Appeals Alliance):世界で起こる人道危機に対応し、主にファンドレイジングの側面から連携や情報共有を行う、
緊急人道支援のグローバルネットワーク。現在、欧州を中心に、JPFを含む世界中の10団体が加盟。

※6:OCHA, Revised 2016 Yemen Humanitarian Response Plan (August 2016)

JPF「イエメン人道危機対応」プログラム事業支援金口座

寄付金受付期間 ~2017年2月28日
銀行名 三菱UFJ銀行
支店名 本店
口座種類 普通
口座番号 0667801
口座名義 特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム
フリガナ トクヒ)ジヤパンプラツトフオーム

※恐れ入りますが、振込手数料をご負担ください。

JPF「イエメン人道危機対応」プログラム

上述のイエメンの人道危機に対応するため、JPFは2015年10月に「イエメン人道危機対応」プログラムを立ち上げ、紛争の影響により困難な生活を余儀なくされている人たちに最も必要とされる支援を届けてきた。イエメン国内では、アル・ジョウフ、マアリブ、ハッジャ、タイズの4州において国内避難民やホスト・コミュニティの脆弱な人たちを対象に食糧・食糧バウチャー(引換券)の配付、安全な水の提供、極端な栄養不良の子ども達への治療などを実施し、これまでに12万4,798人に支援を届けることが出来た。また隣国であるジブチにおいては、難民キャンプに住むイエメン難民の子どもたちが安心して遊ぶことができる「子ども広場」を提供した。

紛争が激化してからまもなく2年が経過し、国連を始めとする国際社会の仲介努力も続けられているが、イエメンの紛争の終結には見通しが立たないため、JPFは、紛争の影響による困難な状況を少しでも緩和する目的で2017年も本プログラムを継続する。2017年からは新たに加盟NGO2団体も加わり合計4団体で、上記の活動のほか、紛争により収入を得る手段を失った世帯を対象に生計回復の支援、紛争で破壊された校舎の修復を始めとする教育支援など新たな活動を開始し、イエメンでの人道支援を加速していく。

ジャパン・プラットフォーム(JPF)について

日本の緊急人道支援の新しいしくみとして2000年に誕生した中間支援団体。NGO・経済界・政府などが対等なパートナーシップのもとに連携し、迅速かつ効率的に国内外の緊急支援を実施するため、日本のJPF加盟NGOを様々な形でサポートしている。設立以来、助成総額約465億円、1306事業、47の国・地域での支援実績、企業とNGOの協業の促進、しっかりとした活動報告により信頼を築いてきた。各得意分野を持つ46のJPF加盟NGOと情報を共有し、ともに支援プロジェクトをつくる。民間から総額70億円以上が寄せられた東日本大震災支援では、被災県の地域連携・中間支援組織とともに地元NGOをサポートし、復興への体制整備に貢献している。平成28年熊本地震に対しては、緊急支援フェーズ後、復興フェーズとして「地域力強化」に注力している。

本件に関するお問い合わせ先

特定非営利活動法人 ジャパン・プラットフォーム
広報担当:高杉、海外事業部:鳴海

TEL:03-6261-4750 FAX:03-6261-4753
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-6-5 麹町GN安田ビル 4F
Webサイト:www.japanplatform.org   E-mail:info@japanplatform.org
Facebook:ジャパン・プラットフォーム   Twitter:@japanplatform

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