「能登豪雨1ヵ月:現地からの報告」アーカイブ配信中
日頃よりJPFをご支援してくださっている皆様へ
JPFは2000年の設立以来、NGO・民間(企業と個人)・政府が対等なパートナーシップのもとに連携し、世界各地における自然災害による被災者、紛争による難民・国内避難民に対し、日本の加盟NGOの活動のサポートを通じて、緊急人道支援を届けてまいりました。
これまでの皆さまのご理解とご協力に、改めて心より御礼申し上げます。
本年5月、2年に1度の改選の機に、JPFと加盟NGOが一体となったJPFグループの、次世代を見据えた一層の発展を展望して、新たなJPF理事会が発足し、新共同代表理事が選出されました。新体制では、広くさまざまな課題に取り組むロードマップを策定し、理事会、事務局、加盟NGO、さらに外部の方々のご意見も伺いながら、時間をかけて改革の歩みを進めております。
特に「理事会ガバナンス体制の改善と事務局体制の充実」については、旧執行体制のもとで生じていた問題も十分に総括し、これまで以上に徹底すべく、最優先項目として取り組んでおります。
JPFの活動は、政府からのODA資金及び企業・個人の方々からのあたたかいご寄付をもとに成り立っています。大切な資金を、裨益者の方々に必要とされている支援として、しっかりと届け活用していくことは、私たちの使命です。
現在、JPFの資金配分のプロセスは、まず理事会から委嘱された「常任委員会」で審議した基本方針に基づき、事務局担当部が加盟NGOから申請された人道支援事業の内容を精査し、支援活動の各方面の専門家から成る「助成審査委員会」において審査を行い、その答申に基づいて「常任委員会」において審議し承認を得るという、厳しいプロセスを経て決定されております。
過日の加盟の不適切な行為は真摯に反省すべき事案でありますが、それとも関連して一部報道によるJPF批判もあります。内容には事実誤認や、旧体制において承認されなかった提言に基づく批判もあって、JPFの評判に重大な影響を与えかねず、深刻な問題と考えております。もちろん反省すべき点は反省し、協賛いただいている企業並びに関係の皆さまにご心配をおかけしておりますことについて、改めて心よりお詫びを申し上げますとともに、私たちの日々の実践を正しくご理解いただけるよう、一層の適時適切な情報提供に努めてまいります。
不適切な案件に関しては、外部専門家も交えて徹底的な事実確認と原因解明に努め、不適切と指摘された資金支出の返還を要請し、JPFからの資金助成の一時停止、またJPFの役員からの退任など厳しい対応を進めております。
またJPFといたしましても、引き続き再発防止のためのガバナンス体制の強化に努力し、国民の税金であるODA資金と民間の企業様・市民の皆様からお預かりした貴重な資金の最も効果的かつ効率的な有効活用を実現すべく、その管理の徹底を支える理事会によるガバナンス体制の強化によって、JPFのアカウンタビリティ(説明責任)と透明性の一層の向上に努めてまいる所存です。
まずは、NGOと非NGOの代表によって構成される「常任委員会」とは別に、利害関係のありうるNGO代表を除いた「事業審査委員会」を新設して、個別に申請された案件の審議の決定はこの委員会にて行う提案をしております。それ以外の資金(一般予算等)についてもNGO代表を除く形で決定する仕組みを設けることについては賛否両論ありますが、鋭意検討中です。
また、「内部監査室」の新設によって、事務局内部の監査と加盟NGOの助成事業監査を強化し、従来の「監事」機能の拡充、外部監査の充実も図ります。あわせて、事務局内部でも資金管理機能の格段の充実を図るべく、案件管理のフローの見直しと現場における相互チェックや事業成果を評価する仕組み作り、さらに基本情報の理事会への適時的確な報告体制の確立にも努力いたします。これらの事務局の執行能力の質と量の改善は、これからのJPFのパフォーマンス向上と共に、理事会ガバナンスが有効に機能する基盤となり、今後の経営改革の最も大切なポイントの一つと考えております。
なお、これらの機構の改編は、1月末開催予定の理事会において審議決定し、正式に発表させていただきます。ここでは基本的な考え方の方向性としてご理解いただき、今後の変更もありうることをお断りさせていただきます。
さらに、「理事会によるガバナンス体制」確立のための基盤として、JPFと加盟NGOが共に目指すべきミッションとビジョン に基づき、JPFグループの行動理念(コンプライアンス・ポリシー)、倫理規定、さらに国際的な人道支援の必須基準(CHS)等々を精査し一層整備することも極めて重要と考えており、加盟NGOと協働して進めてまいります。
JPFは、各得意分野や強みを持つ42の加盟NGOとともに支援活動を展開しています。現在、加盟NGOは人道支援プログラムごとにワーキンググループを形成し、プログラム立ち上げの際はもちろん、日頃から随時情報共有したり、効果的な支援ができるよう協力しあうことができています。その成果は「加盟NGOユニット会議」でまとめられ、次年度の事業計画の骨子として生かされてきました
このように、各加盟NGOが得意分野を活かしながらJPFとして包括的に支援展開できるようになったことは、JPF設立の成果でもあり、JPFの強みでもあります。
新体制では、より現場実感に溢れ裨益者の真のニーズに直結した支援を実施するために、従来の「加盟NGOユニット会議」を「プログラム戦略会議」としてレベルアップさせ、事業計画に落とし込みやすい体制を強化してまいります。
JPFには「政府ODA資金の民活」という使命があります。その際に大切なことは、加盟NGOが裨益者のために、最適最高の機能を発揮できる環境の整備です。民間によってより効果的で効率的な人道支援活動が実現すること、つまり「公共の正義」を「民」によって実現する市民社会への貢献こそが、私たちの存在意義だと考えております。その更なる拡大のためには民間からの資金支援が不可欠です。改めて、ご寄付いただきJPFを支えてくださる多くの企業と市民の皆さまに心からの感謝を申し上げ、そのご付託と期待にお応えしてまいる所存です。
2018年は、特に国内災害の多い年でした。西日本豪雨被災者支援では、事前の情報収集をし、発災直後には、被災者のニーズを迅速に把握し、現地支援関係者との連携調整をするために緊急初動調査チームが現地入りしました。皆様からお寄せいただいた約6.8億円ものご寄付はもちろん、NGOスタッフの渡航協力支援や現地で必要とする物資や機材のご提供など、各企業の強みを生かしたご協力のおかげさまで、加盟NGOとともにニーズに沿った支援を届けてまいりました。
改めて、公共性が高いJPFは、その公平性とアカウンタビリティの重要性を決して忘れることなく、あるべき姿を求めて、日本の人道支援に多くの方々が参加できるプラットフォームへと進化し続けるため、努力してまいることをお約束いたします。そして、様々なステークホルダーと協働しつつ、人道支援のプロフェッショナルとして、日本のNGOによる人道支援活動を一層拡充したいと願っております。
今後ともあたたかいご支援を賜り、是非、課題解決のための連携、ご協力をいただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
特定非営利活動法人 ジャパン・プラットフォーム
共同代表理事 永井 秀哉、小美野 剛
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