「能登豪雨1ヵ月:現地からの報告」アーカイブ配信中
アフガニスタンでは、今年初めから国際治安部隊(ISAF)が撤退し始め、それに伴い反政府グループの活動も活発化しています。アフガニスタン北部に主要都市、クンドゥズでは、先月9月28日に反政府勢力であるタリバンの襲撃を受け、アフガン戦争が始まった2001年以来初めて都市の大部分が制圧されました。10月1日にアフガニスタン国軍が奪還したものの、事態が悪化する中、"人間の盾"として一般市民が利用されている状況において、更なる市民の死者、犠牲者が危惧されており、大勢の市民が避難を余儀なくされています。
10月3日には、米軍による、国際医療・人道援助団体「国境なき医師団(MSF)」病院誤爆による死者発生、病院閉鎖が報じられています。医療施設や医療従事者への攻撃は国際人道法で禁じられています。
冒頭のクンドゥズ事件を受け、アフガニスタンの国内避難民は過去最悪数に達しており、2015年単独で17万人を超えました※1。International Displacement Monitoring Center(IDMC)は、今年7月には国内避難民が総計で94万8000人に達していると伝えました※2。多くの避難民がクンドゥズ州内の他地域やタカール州に避難しており、その大半は着の身着のままで殺戮から逃れています。現地は冬場を迎えると最低気温が一桁台になる地域のため、事態が長引くと凍死の懸念もあり、特に食料、医療や生活必需品、越冬支援など、人命を守るための緊急的な支援が必要です。
クンドゥズからバグラン州など他の地域への道路は一時タリバンによって封鎖され、現在、市内の店、国連やNGOなど支援団体のオフィス、政府機関のオフィス等、現在全てが閉鎖されており、事態が長期化すれば市内に取り残された人々の安全や生活がさらに悪化するとみられています。国連も一般市民の命を守るよう、タリバン及びアフガニスタン政府に対しての声明を出しています※3。
ジャパン・プラットフォーム(JPF):アフガニスタン/パキスタンワーキンググループ※4では2010年より「アフガニスタン・パキスタン人道支援」プログラムとして、社会基盤の整備、教育・保健の強化、平和構築等の分野で50億円以上の支援を実施してきました。特にアフガニスタンの慢性的な人道危機及び突発的な戦闘によって発生している人道危機に対処することを重要視し、各事業を展開しています。
人々は平和を望み、家族を大切にし、人間として尊厳のある生活を望んでいます。現在のアフガニスタンの慢性的な危機を増幅させ、複雑な人道危機がうみだされる状況を防ぐためにも、日本が積極的に提唱している「人間の安全保障」を人道支援という形でアフガンの避難民の人々に届けるべく、JPF:アフガニスタン/パキスタンワーキンググループでは、人命を守るための緊急支援を最優先事項とし、支援を継続していきます。皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。
※1:Afghanistan Key Figures, UNOCHA (http://www.unocha.org/afghanistan)
※2:Afghanistan IDP Figures Analysis, International Displacement Monitoring Center(IDMC)
http://www.internal-displacement.org/south-and-south-east-asia/afghanistan/figures-analysis
※3:"Afghanistan: UN stresses need to protect civilians amid reported abuses in Kunduz",
UN News Centre (30 September 2015) http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=52065#.VhTROrTtmkr
※4:JPF:アフガニスタン/パキスタンワーキンググループ:
AAR Japan [難民を助ける会)
ADRA Japan
CWS Japan
JEN
日本国際民間協力会(NICCO)
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