「能登豪雨1ヵ月:現地からの報告」アーカイブ配信中
2021年9月、日本UNHCR・NGO評議会(J-FUN)主催、ジャパン・プラットフォーム(JPF)/なんみんフォーラム(FRJ)/国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)協力の、『グローバル難⺠フォーラム(GRF)マルチステークホルダー・コンサルテーション(MSC)フォローアップのための勉強会』がオンラインで開催されました
本勉強会は、2019年12⽉にジュネーブで開催された「第1回グローバル難⺠フォーラム(GRF)※1」に先⽴ち、2019年11⽉に開催された「マルチステークホルダー・コンサルテーション(MSC)」の枠組みを通じて⾏われる⾮公式の会合です。
第4回のテーマは「人道危機に直面するアフガニスタン~日本にできることは」。昨今のアフガニスタン情勢を受け、緊急で開催されました。
アフガニスタンからは、2021年8月末の時点で紛争などの影響で220万人以上が難民として周辺国に避難しています※2。さらに国内で避難生活を送る人々は、以前から避難していた290万人に加え※3、年初来68万人を超え※2、現在も状況は悪化しています。今回の勉強会は、政府機関関係者、NGO、難民コミュニティー、民間セクター、宗教法人、財団法人、ユースグループ、研究機関、メディアなど多様なアクターが参加し、アフガニスタンの現状について、また今後の対応についての意見交換を目的に開催されました。
第1部では、アフガニスタン国内・周辺国の情勢と人道的課題について有識者からの発表がありました。今後の日本の対応として、「女性の教育と就労の維持」そして「アフガニスタンを国際テロ組織の拠点にしない」という公約をタリバンが守り、より寛容で国際的に認められる政権運営をするよう促す対話をしていくことが重要と話しました。また、現地で支援活動を展開するNGOからも報告がありました。現地では、女子中・高校生の教育が停止していたり、行政サービスの機能の停止、物価の高騰、資金凍結による現金の不足などで人々の生活の先行きが不透明で、難民の増加が懸念される状況であると話しました。
第2部では、来日する可能性のあるアフガン難民の受け入れ支援について、日本に逃れた難民を支援するNGOや、難民支援ネットワーク団体などが発表をしました。アフガニスタンやその周辺国にいる人々から、出国や日本への移動の方法、庇護に関する相談が入っていると話し、様々なステークホルダーが連携をして個々の状況やニーズに応じた多様で柔軟な受け入れ施策を行っていく必要があると指摘しました。さらに、日本で留学中のアフガニスタン人学生からは、国内の状況を受け、留学生たちは日本での滞在許可の問題や将来に不安があると話し、難民に関わる経験を持つ人々に対し日本での高等教育の機会を創出すること、在日留学生のための就労支援の強化などが訴えられました。
混乱の続くアフガニスタンでは、出国を試みる人々もいるものの、大多数の一般市民は国内に残り生活をしていくことを余儀なくされています。国内で支援を必要としている人々や避難生活を送る人々の状況の改善のために、多様なアクターが協働していくことが必要です。
※1:グローバル難⺠フォーラム(GRF):2018年12⽉に締結された「難⺠に関するグローバル・コンパクト(GCR)」を推進するための閣僚級会合。GCRでは難⺠の直⾯する課題に対して、従来の⽀援⽅法にとどまらない社会全体での協⼒の必要性を訴えている。
※2:UNHCR, Operational Data Portal Refugee Situation (October 2021)
※3:UNHCR, Afghanistan Situation Supplementary Appeal July-December 2021 (August 2021)
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