「能登豪雨1ヵ月:現地からの報告」アーカイブ配信中
2021年5月、日本UNHCR・NGO評議会(J-FUN)主催、ジャパン・プラットフォーム(JPF)/なんみんフォーラム(FRJ)/国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)協力の、『グローバル難⺠フォーラム(GRF)マルチステークホルダー・コンサルテーション(MSC)フォローアップのための勉強会』がオンラインで2日間にわたり開催されました。
本勉強会は、2019年12⽉にジュネーブで開催された「第1回グローバル難⺠フォーラム(GRF)※」に先⽴ち、2019年11⽉に開催された「マルチステークホルダー・コンサルテーション(MSC)」の枠組みを通じて⾏われる⾮公式の会合です。
第3回のテーマは「就労プログラムが難民の保護とエンパワメントに果たす役割」で、多様なセクター間の情報共有の場づくりを目的に開催されました。
©UNHCR
会では、難民を実際に雇用している日本企業やグローバル企業の現場からの経験の共有や、日本で働く難民の方からの声、その他にも、日本語学校や就労支援のNPOからの事例など、様々な視点からの意見の交換が行われました。
インターンで難民を受け入れたことをきっかけに積極的に雇用をはじめた福祉施設からは、外国籍の職員と接するときの異文化コミュニケーションの工夫が、福祉の現場において業務に活かせることなどの紹介がありました。採用前には課題もあり、例えば職員がシリア人の方々と接したことがなく、受け入れに不安があったため、現場への丁寧な説明を行い、また、利用者にもインターン受け入れを通して慣れてもらったと話しました。さらに、地域コミュニティにも協力してもらいながら、就労している難民の方々が生活の面でも孤立しないような取り組みも行っていることが共有されました。
日本で就労している難民の方からは、「最初は日本語が分からなかったが、周囲からのサポートもあり今はコミュニケーションが簡単になった。日本語ができる・できないではなく、募集する仕事の内容で、外国人の採用を判断してほしい。外国人が仕事の成果を証明できるように試用期間を作るなど、外国人が全力を出せるようなチャンスやサポートがほしい」と経験の共有と提案がありました。
難民の雇用はスキルや能力だけではなく、新たな視点を受け入れコミュニティや国にもたらします。日本においても難民の方々一人ひとりがそれぞれの力を発揮しながら働いていける社会を、企業だけでなく様々なアクターが支え合って築いていくことが大切です。
※グローバル難⺠フォーラム(GRF):2018年12⽉に締結された「難⺠に関するグローバル・コンパクト(GCR)」を推進するための閣僚級会合。GCRでは難⺠の直⾯する課題に対して、従来の⽀援⽅法にとどまらない社会全体での協⼒の必要性を訴えている。
UNHCRによるレポートはこちら
https://www.unhcr.org/jp/36615-ws-210614.html
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