ユニクロ、ジャパン・プラットフォームを通じて、 能登半島の地震・豪雨で被災された方々にヒートテックを寄贈
政府、経済界、NGOの連携によって2000年に設立された緊急人道支援組織、ジャパン・プラットフォーム(JPF)は、2019年2月14日、プレス向けイベント(第7回JPFメディア懇談会)「あれから8年、福島のいまとこれから ~国内避難の教訓を世界へ~」を開催しました。
本企画では、2020年を前に風化に拍車がかかる8年目の福島の現状と教訓を伝えることを趣旨とし、国際的にみた「国内避難」という視点や、世界共通の「母親」たちの行動を通して、それぞれの専門的な視点からの洞察や課題を共有しました。今回は特に海外メディアを対象に、国内外メディアに3.11前の情報収集や取材のきっかけとして、多くの記事を書いて現状を発信していただくことを目的としました。
当日は、国内はもちろん、フランス、オランダ、オーストラリア、香港、スペインなど6ヶ国11社より14人のメディアの方々にお集まりいただきました。また、福島支援にご関心を寄せていただいている企業の方々6名にもご参加いただき、その他合計40人が参加しました。
福島の原発避難問題について、JPFを代表してロンドンやジュネーブにおける国際会議で発表し関心を集めたモシニャガが、「国内避難」という視点から福島の問題についての洞察を共有しました。
世界中で強制移動を強いられている⼈の数は、前代未聞のペースで増え続けています。なかでも国境を越えずに避難している国内避難⺠の数は、注⽬を集める難民と比べて圧倒的に多いにもかかわらず、問題がおきざりにされる傾向があります。国内避難⺠は国境を越えないため、その保護と⽀援の責任は根本的にその国の政府の問題とみなされる場合がほとんどです。
JPFが国内で対応してきた東⽇本⼤震災、熊本地震、西⽇本豪雨災害なども、全て「災害起因」の国内避難⺠の発生を伴っています。原発事故は稀にしか起きないと考えられていますが、⼀旦起こってしまったら、その影響は⻑期的で複雑なものとなります。しかし、このような「技術災害」がもたらし得る⼤規模で長期的な強制移動問題については、国際的にはほとんど議論が進んでいないのが現状なのです。
モシニャガは、上記のような国内避難民を取り巻く国際的な動向ともに、不幸にもその稀な事例となった福島第⼀原発事故に伴う避難は、災害に起因する避難問題を、困難で苦痛を伴う喪失の克服と復興プロセスの⼀環として捉える重要性を⽰しており、⻑期的な時間軸で取り組む必要性を裏付けていることを伝えました。
原発事故による復興ペースのバラつきの中で拡大・深刻化する地域格差、雇用状況の不安定化、避難民の社会的孤立などの問題は、複雑な利害関係が絡む復興の難しさを示しており、「変化していく被災者と被災地の状況に即した支援措置の導入を可能にする、柔軟な政策・制度・法的枠組みの整備」や政策プロセスへの被災者の意味ある関与が必要だと訴えました。この複合的な問題は、どこの国でも発生しうることであり、多くの先進国・発展途上国が教訓にするべき課題が多く見られると伝えました。
JPFは2011年3月11日の発災直後から、継続して「東日本大震災被災者支援」を展開しています。
山中は、地元に根ざして各支援者や被災者の連携調整をしながら支援活動を進めてきた、JPF福島担当ならではの視線で、これまでのフェーズにおける支援やニーズの変遷について説明しました。また、避難指示解除が進むにつれて、帰還せずに各地で避難生活を続けている被災者の数が大幅に減ったようにみえるものの、実際の数は明確にわからない現状についても共有しました。
JPFでは、2015年に「福島支援強化方針」を発表し、5つの重点活動(社会的弱者の支援、地域セーフティネット強化、地域文化の存続、放射能不安への対応、地元主体のネットワーク促進)を軸に、助成や連携調整などで地元の人々の活動を支えてまいりました。各支援事例や、東日本大震災被災者支援からの教訓が熊本地震や西日本豪雨などその後の国内災害支援に生かされた事例のほか、今後さらにさまざまな教訓を生かしていくことが課題であると伝えました。
子どもたちに何を食べさせたらよいのか、生活環境は安全なのか。保養の効果はあるのか。
福島に残って生活をしていく選択をした人たちの放射能に対する不安を解消するために、いわき放射能市民測定室を立ち上げた鈴木さんは、いわき市の母親たちとともに放射能測定事業を続けています。また、「予防原則」の観点から、地域の子どもたちが健康に成長できることを願い、NPO法人として診療所「たらちねクリニック」も開設しました。
放射能に関する考え方は、家族間でも異なることが多々あります。"見えない・感じない・におわない" 放射能の恐怖を可視化しすることにより想像ではなく判断材料をもとに話し合うきっかけになり得た例、正確な情報を知ることが心の安定に役立った例などが多くありました。
福島で生活し現実を見ている立場から、ご本人の体験をもとにそのような事例を共有し、また市民測定だからこそ見える現状や課題について紹介しました。
福島に残ることを選択した人と福島から離れることを選択した人、小さな子どもをもつ2人の若いお母さんが、自分の身に起き、今も続いている避難生活を伝えました。
まず、それぞれの事故当時の緊迫した経験を臨場感をもって話していただきました。現在も日々、母として我が子への放射能の影響を避けるために勇気をもって対応している中、実際には放射能への不安について話題にすることが難しい現状や、周囲の反応に対する心理的な窮屈さについて打ち明けました。
体験を語る中で、「誰もが、福島の現状に関する正確な情報にアクセスできる環境があれば、地域や社会全体で子ども達にとって一番良いことは何かをオープンに議論できるのではないか」と訴えました。
発表後の質疑応答では、「福島県内でも放射能に関する考え方が、違う原因はどこにあると考えていますか」、「今後のJPF福島支援の戦略はどういったものですか」、「放射能の測定を始めたキッカケはどういった理由からですか」、「技術災害による国内避難民の研究はどの程度すすんでいますか」など関心の高い多くの質問が寄せられました。
東日本大震災から8年たった今もなお、福島はかつての日常を取り戻せていません。本イベントにより、「災害起因」による複雑な「国内避難民」問題に対する国際的観点や、被災者の個人的なストーリーへのさらなる関心など、さまざまな気づきがあったという声が多くあがりました。
また以下のとおり、多くのメディア掲載が実現しました。
JPFはこれからも、福島の現状から私たちが少しでも気づきを得ることができるよう発信を続けてまいります。
ご登壇いただいた皆様、ご参加いただいた皆さまに心より御礼申し上げます。
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①思考香港
- 動画版
- 記事版
②KWS(Kyodo News Plus)
③JAPAN TODAY
④国際新聞
⑤IRAN DAIRY
⑥Atomic Age
⑦Broady(VICEオンライン版)
⑧Trouw(紙面とオンライン版の両方に掲載)※email登録が必要です。
ジャパン・プラットフォーム 広報部 高杉
TEL:03-6261-4035
Mail:info@japanplatform.org
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