ユニクロ、ジャパン・プラットフォームを通じて、 能登半島の地震・豪雨で被災された方々にヒートテックを寄贈
ジャパン・プラットフォーム(JPF)は2016年11月18日(金)、日本ユニセフ協会の協力を得て、「子どもにやさしい空間(Child Friendly Space、以下CFS※1研修」を開催しました。
JPFに加盟する46のNGO団体は、紛争や自然災害による被災地で人道支援に従事しています。どんな被災地にも必ず子どもは存在しますが、その子どもたちは、多くの困難に直面するだけでなく、さまざまな権利が侵害されやすくなります。今回の研修は、緊急時の子どもたちの権利を守り、適切な支援の空間を提供するために必要な知識を人道支援NGOスタッフに身につけてもらうために開催されたものです。
研修当日はJPFのスタッフおよびJPFに加盟するNGO団体から合計18人が参加しました。本研修は、「今日何か起きても、すぐに使える」ことを目指して日本ユニセフ協会によって開発されたガイドブック『子どもにやさしい空間』に基づき進められました。参加者全員が災害地での現場経験が豊富であったため、終始現場感あふれたグループワークや質疑応答が展開されました。
ワークショップ前半では、CFSの意義、効果、実践の方法や、国際災害支援における子どもの保護とCFSについて丁寧な説明がされました。そして後半では、実際に模造紙の上に「学校の教室を利用して子どもが安心できる空間を作ってみよう」というグループワークが行われ、参加者は現場の状況を思い浮かべながら想像力をいっぱいに働かせて取り組みました。「クッションとか、子どもが当たれるものを置いてあげた方がいいよね」、「この時間、小学生は何をしているかな?」、「CFSを夜まで使えるようにしてあげることは、中高生には大事だろう」、「大人も子どもも投稿できる意見箱を設置しては?」などと、参加者は被災者の気持ちを思いやりながらワークを進めていました。ワークを通じて講師より、「被災時はあらゆる物が限られるので、その場にあるものを上手に活用することが大切」、「子どもの話を聞いてあげることは支援者やおとなとして大事なことだが、無理をし過ぎないことがとても重要。誰かに代わってもらい、スタッフやおとなも休む時間を確保することも忘れないで」などの貴重なアドバイスがありました。
また、当日の講師で日本ユニセフ協会の小野道子氏は、「CFSはあらゆる被災地で必要な空間。支援従事者には積極的に取り組んで欲しいが、被災した子どもだけでなく自分自身を守るためにも正しい知識を身につけると同時に、必要な専門家を巻き込むことが重要」と強調されていました。
参加者からは、「プロセスや具体例が混ざった説明と、実習+フィードバックが組み合わさった内容で、とても分かりやすかった」、「CFSを計画、運営する一連の流れ(実践ステップ)が理解できた」、「自分たちで考えながら進められ、なおかつ他のグループの意見が参考になった」など、とてもポジティブな声が届いています。JPFは、被災地における子どもの保護が適切に実行されることを目的に今後もCFS研修を推進していきます。
プログラムの目的
プログラムスケジュール
時間:14:15~16:45
講師
※1 緊急支援における「子どもにやさしい空間(Child Friendly Space=CFS)」とは:
紛争や自然災害などによる緊急事態が生じると、子どもたちの生活環境は一変し、子どもたちは恐怖、喪失、避難、住み慣れたところからの移動、避難先での不自由な生活などを余儀なくされます。これらの変化は、子どもの心身の成長や発達に深刻な影響を与えます。この負の影響を最小限にするためには、避難した先で安心・安全に暮らせる環境を作り、子どもたちのレジリエンス(回復力)を引き出すことが大切です。この環境を「子どもにやさしい空間(Child Friendly Space=CFS)といいます。学校などに設けるCFSはもちろん、最近は「Mobile CFS」というバスによる移動式CFSも増えてきていて、国内では、宮城・岩手・福島の沿岸を今も走っています。
※2 緊急時における「子どもの保護」とは:
子どもは災害時に、けがや病気、家族との離別、虐待、ネグレクト、誘拐や人身取引、武装勢力による動員、性的暴力・搾取など、さまざまなリスクにさらされます。子どもの保護とは、そうした「あらゆる暴力に対する予防(prevention)と対応(レスポンス)」に取り組むことをいいます。
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