アフガニスタン復興NGO東京会議
地域別分科会アピール
(和文要約)
[C]中部 バーミヤン周辺

 〈1〉地域の特徴
   アフガニスタン中央部の高原地帯に位置している。冬は零下20〜30度まで気温が下がり、11月〜4、5月まで道路は雪で閉鎖される。ソ連軍侵攻、イスラーム教徒どうしの内戦、タリバーンと北部同盟の対立などで、多くの人びとが犠牲となった。
 ここ数年は干ばつの影響が深刻である。食料生産性が著しく低くなり、栄養失調者が増えている。水不足により衛生が保てず、病人も増加している。紛争により学校、灌漑施設、倉庫、カルバートが破壊された。地雷による被害の潜在性も大きく、農業、インフラ整備など多方面に悪影響をおよぼしている。
 〈2〉目的
  (01)緊急課題
  • 紛争と干ばつによる被災民の救済
  • 平和構築と紛争解決:地雷除去と支援物資配給

(02)短期的課題
  • インフラ(学校、道路、灌漑施設、水道、住居、排水路、橋梁、医療機関)整備および社会インフラ(女性の能力開発、地域の参加)整備
  • 社会・経済サービス(教育、職業訓練、健康管理、母子のための施設、雇用創出)の復興

(03)長期的課題
  • 持続的社会経済開発(職業訓練、収入向上)
  • コミュニティ人口の安定化
  • 母子保護センター設立
  • 文化遺産保護
  • 遠隔地のインフラ整備
  • 農業発展、家畜健康管理サービス充実
  • 男女平等を目指した女性の地位向上
  • コミュニティ、NGO、政府の協力
  • 環境保護

 〈3〉ニーズ
  (01)農業・灌漑
  • 種子、肥料、農薬の供給
  • 農機具の導入
  • 植林用樹木のサンプル導入と植木畑開発
  • 灌漑システム復旧
  • 井戸復旧と掘削
  • 湧き水利用
  • パイプを利用した水の供給

(02)畜産
  • 畜産用機械導入
  • 専門家の育成
  • 農民教育

(03)保健衛生
  • クリニック復旧と増設
  • 医療器具、ワクチン、化学薬品の供給
  • 移動クリニック設営
  • 帰国者の雇用
  • ヘルス・ワーカーと助産婦に対する教育
  • トイレ増設

(04)教育
  • 公教育(学校建設、学内施設 [図書館 実験室]の整備、教材の充実、幼稚園の設立)
  • 女性のための識字教育、教材の提供

(05)雇用と収入向上
  • 復興事業に雇用創出プログラムを組み入れる
  • 地場産業の復興
  • 職業訓練
  • 市場発展

(06)建設
  • 公共インフラ(道路、カルバート、橋、倉庫)整備
  • 河岸の土壌保全

(07)文化の復興と開発
  • 史跡、歴史遺産の保護
  • 平和構築と和解に関する伝統的文化の制度化
  • 有用な伝統的儀式に対する支援

 〈4〉提言
  (01)復興プロジェクトの事前調査、政策決定および実施にコミュニティの人びとが参加すること
(02)帰国者へのサービスの充実
(03)NGOの人材育成(奨学金・フェローシップ制度、研修プログラムなど)
(04)必要なリソース(資金、資材、機材、交通手段、通信手段、専門家)の確保
(05)適正技術の導入と拡大
(06)緊急時における必需品の配給
(07)図書館サービスの提供
(08)アフガンNGO、国際NGO、コミュニティ、政府間の協力と調整
(09)バーミヤンの歴史編纂
(10)歴史遺産の保全と史跡物盗難防止
(11)絶滅種動物の保護と国立公園設立による保全
(12)畜産、林業発展
(13)都市と地方の格差是正、中部地方における収入向上プログラム強化
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