中国四川地震被災者支援

本プログラムにおける支援活動は終了いたしました。
ご寄付などによるご支援を賜り、誠にありがとうございました。

プログラム概要

2010年3月1日

対応計画

2009年6月25日

経過報告


綿陽市市内 建物損壊状況


「震災後の村」についてグループ全員で一つの絵を完成させた。
心のケア「絵画ワークショップ」の様子。


心理ケア相談員の育成研修の様子。


心理社会的ケア研修においてみんなで記念撮影。
研修は描画などの感情表現のトレーニングを行うことにより、
心理ストレスの軽減を目的としています。


支援開始から1年以上を経た被災地において、心のケア事業を実施しています。ジャパン・プラットフォームではこれまで、約1億6,000万円の事業資金を6団体、16事業に助成してきました。本支援は2009年11月まで継続する予定です。

地震被害発生直後、初動対応期の事業としてADRA Japan (ADRA)、アジア協会アジア友の会(JAFS)、サポート.CC(SCC)の3団体が発災直後の調査を実施しました。その結果に基づきADRAが蚊帳の配布を行いました。テント内が40度を超し被災者の体調が憂慮される中で、蚊帳の配布によって蚊を媒体とした伝染病の予防にも役立ったと地元行政からも感謝されました。

また、SCCは同時期にテントおよびプラスティックシート、ロープなど屋根の修復に必要な物資を配布し、屋外生活を余儀なくされていた人々に仮設住居を提供しました。また、提供したロープなどにより、損壊した畜舎や穀物倉庫などの補修を行うことができ、結果として地域産業である農業の再建を促すことができました。

その後、10月より日本民間国際協力会(NICCO)が、支援の届きにくい山間部の集落に越冬支援として防寒着および掛け布団を配布しました。この事業においては性別と年齢に応じて8種類異なるパッケージを作り、受け手のサイズと年齢に適した防寒着の配布を実施するなど、きめ細やかな活動ができました。

発災後半年以上が経つと、被災地における物質的なニーズは低くなりましたが、被災者の心のケアの必要性が指摘されるようになりました。この状況を鑑みて、JPFではADRA、NICCO、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)の3団体と合同で心のケアに関する実態調査を実施し、この結果に基づき3団体が心のケア事業を開始しました。

NICCOは子どもを対象としてスポーツや演劇観衆を実施することで震災による心理的なトラウマを軽減することを目的とした事業を実施しています。また、事業ボランティアおよび教師に対して心理社会的ケアのトレーニングを実施することで、事業終了後にも自主的に継続して心理ケアを行うことが出来るよう事業を設計しています。

SCJは、四川省で被災し、親元から離れて集団生活をしている子どもと、その子どもを取り巻く大人を対象として心理ケアを実施しています。震災による直接的なストレスと、親元を離れたことによる精神的な負担を軽減することを活動の目的としています。他方で、子どもたちに避難生活や防災に関する調査を行う機会を提供し、調査を通じて子どもたち の社会性の向上や自主性の回復をはかることで、帰還後の生活への順応性を高める計画です。

ADRAは、被災地における調査の結果、社会心理ケアに対するニーズが満たされていない事を憂慮し、基本的な社会心理ケアを行うことができる心理ケア相談員を育成する事業を行いました。これによって、事業終了後もトレーニングを受けた心のケア相談員が被災地において主体的に活動を実施することができようになることを目指しています。

上述の心のケア3事業は6月下旬をもって終了しますが、6月末よりあらためてNICCOとSCJの2団体が心のケア事業を実施する予定となっています。

2008年7月11日

状況報告

   
綿陽市市内 建物損壊状況     地震直後に調査を行うGOスタッフ

   
支援したテント           シートで補修した家で生活す人々

   
行政により用意されたテント     感染症対策のための消毒が行われている



1.背景
2008年5月12日、四川省を震源とするマグニチュード8.0の大規模な地震が発生しました。この地震により、7月8日現在、死者69,195人、傷者は374,177人、行方不明者は、18,404人と報告されています。被災規模は、四川だけでも12,242棟の建物が損壊し、避難者は1,500万人おり、そのうち500万人が家を失ったといわれています。

震災を被った地域では、電気、ガス、水道及び食料の供給が止まるなど、インフラ等の復旧の遅れにより衛生状態が悪化しています。 


2.JPFの対応状況
四川省を中心として多数の被災者を生み出した深刻な状況に関して、ADRA Japan(ADRA)とアジア協会アジア友の会(JAFS)から出動趣意書が出され、5月22日に出動が決定しました。それに伴い、皆様からの義援金の受付を始めました。

5月25日にADRA、JAFS、5月26日にサポート.CCが支援ニーズの調査と事業立ち上げの準備のため、中国の被災地に向け出発し、初動調査を行いました。

初動調査の結果を受けて、ADRAは交通が遮断されてしまった孤立地域における物資配布事業を決定し、蚊帳40,000張と調理器具の配布を10,000世帯に対して行っています。続いて、サポート.CCが、130張のテント配布事業を行いました。

7月7日までに、ジャパン・プラットフォーム(JPF)参加NGO3団体がJPFからの資金を受けて5事業、合計62,518,121円の支援事業を実施しています。 現在のJPF助成事業は、調査を基にした生活支援物資配布が中心の初動対応事業で、各NGOによって実施されています。今後は、緊急対応期に入り、生活の再建に向けた建物修復・建設事業、子どもの教育支援事業及び心のケア等の大規模の事業が想定されております。


3.支援における特徴
被災地では、異常な気温上昇と降雨が、復旧活動の遅れと感染症という更なる被害をもたらす危険性があります。加えて、中国政府による支援状況も、地域差が大きく、山間部において支援が遅れている状況が参加NGOにより報告されています。現在中央政府の生活資金と米の配布は、地震発生から3ヶ月となる8月12日に停止する予定となっており、生活再建が進んでいない多くの被災者には不安が募っています。 


二次的被害のおそれ
降雨により洪水および地すべりが発生しています。9省において洪水が発生しており、既に57名が死亡、1,787万人が避難しています。
地震によって形成された地震湖が、下流に住む住民の脅威となっています。
6・7月は一年を通しても最も雨量の多い時期であり、道路状況の悪化や土砂崩れ等の危険にさらされており、復旧作業の遅れが危惧されています。
気温上昇により、食中毒や蚊を媒介した感染症の発生が危惧されています。


中国政府による支援状況
158万張のテント、487万枚の毛布、1,400万着の衣類、152万トンの燃料、222万トンの石炭が中国政府により配布されています。また、31.4万戸の仮設住宅が建てられ、3.2万戸の仮設住宅が建設中、更に6.4万戸分の建設資材が現地に運ばれている状況です。生活資金(1日10元)と米(1人1日500g) が被災者に支給されています。(7月1日現在)

(情報源)
Operation Update No.12, 14 China: Sichuan Earthquake, International Federation of Red Cross and Red Crescent Societies.

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