地震被災地で取り組む「耐震家屋の建設」「防災・減災教育」

活動レポート

ADRA Japan(ADRA)

地震被災地で取り組む「耐震家屋の建設」「防災・減災教育」

アフガニスタン人道危機対応支援

地震で家が崩壊。屋根と壁のない家で1年以上暮らしたファティマさん/ヘラート県/2024.11 ©ADRA

  • 完成した家屋/ヘラート県インジル地区/2024.11 ©ADRA

  • ファティマさんの新しい住居/ヘラート県インジル地区/2024.11 ©ADRA

「とてもうれしくて、感謝の言葉もありません」。
2023年10月、アフガニスタン西部で大地震が複数回発生し、震源地のヘラート県ジンダジャン地区では、ほぼすべての家屋が倒壊してしまいました。この大地震で家を失ったファティマさんは、1年以上、屋根のない家で太陽と雨にさらされながら生活するしかありませんでした。

地震発生直後、人々の命をつなぐための食料支援を行ったジャパン・プラットフォーム(JPF)加盟NGOのADRA Japan(ADRA)は、ファティマさんのような人々が安心して暮らせる家を増やそうと、耐震構造を備えた住居を建設し、また「防災・減災活動」に取り組んでいます。

【耐震構造を備えた家屋の建設】
ADRAは被災した人々が安心して生活の基盤を立てられるように、堅強な家屋を建設しました。これまで冒頭のファティマさんを含む88世帯に住居を提供しています。 

レンガをトラックから下ろす、コンクリートをこねるなど、特別な技術がいらない作業は被災した方ご自身にかかわってもらいます。実際に体を動かして家づくりに携わることで、完成した家は「ただ与えられたもの」でなく、「自分たちの家」だという意識が強まり、自尊心の回復につながります。

家屋を受け取った家族/ヘラート県インジル地区/2024.11 ©ADRA

【防災・減災活動】
地震の犠牲者を増やした一因と考えられているのが、防災概念の欠如です※1, 2。ADRAは防災・減災教育に取り組み、2024年12月に研修を実施しました。参加したのは、被災した6つの村ごとに住民で構成した防災減災委員会と初動対応チーム、そして地方行政職員です。

このうち、出稼ぎのために男性が少ない村では、委員会、チームとも、女性だけでメンバーを組みました。アフガニスタンは近年、女性の社会参画が難しい状況にあり、ADRAは彼女たちが安心して研修に参加できるよう準備を進めました。

研修は女性も安心して参加できるように配慮した/ヘラート県/2024.10 ©ADRA

参加者はみな真剣に研修を受講し、テストの平均点は研修前の4点から93点に上昇しました。

「災害に立ち向かう自信がつきました」「災害管理スキルを向上させるための実践的なツールが学べました」というコメントからも、参加者が防災に関する知識を身につけたことが伺えます。

自然災害に対するレジリエンス(回復力)向上に必要な体制づくりに取り組みながら、アフガニスタンの復興をJPF、ADRAはこれからも支えていきます。

大地震で被災した男性。現在はADRAが建設した家で生活する/ヘラート県インジル地区/2024.11 ©ADRA


※1 UNOCHA, Revised Herat Earthquake Response Plan (October 2023 - March 2024), 16 November 2023
※2 UNDP, Afghanistan, Socio-Economic Outlook 2023, 18 April 2023

今、知って欲しいJPF最新のお知らせ

ミャンマー中部地震被災者支援(寄付受付中)

緊急 寄付受付中!ミャンマー中部地震被災者支援

【緊急開催】4月4日「ミャンマー中部地震被災者支援プログラム」 オンライン説明会

【アーカイブ配信中】「ミャンマー中部地震被災者支援」オンライン説明会(2025.04.04)

震災から14年。福島からの今の声とこれまでのJPF支援

震災から14年。福島からの今の声とこれまでのJPF支援

継続的に人道支援活動を支える マンスリーサポーターのご案内

継続的に人道支援活動を支えるマンスリーサポーター 募集キャンペーン実施中