被災した児童生徒のメンタル支援

活動レポート

JADE-緊急開発支援機構(JADE)

被災した児童生徒のメンタル支援

モロッコ中部地震被災者支援2023

中学生への心理社会ワークショップ/2024.05 🄫JADE

2023年9月にモロッコで発生した大地震は、未曽有の被害をもたらしました。現地では60年以上大きな地震が起きておらず、人々は地震に対する備えや心構えがありませんでした。度重なる余震への恐怖から勉強に集中できない子どもが多く、パニックに陥ってしまう姿も見られます。地震で家族を失った子どもも少なくありません。

JPF加盟NGOのJADE-緊急開発支援機構(JADE)は、被害の大きいタルーダント州で寄宿学校に通う11歳から18歳の児童生徒を対象に、心の支援に取り組みました。児童生徒の多くは、農村部の出身です。貧困世帯の多い農村部では、児童婚や識字率の低さが問題となっており、国王と教育省は国を挙げて就学率と識字率の向上を目指す事業を推進しました。子どもたちは寮のある学校で一般の子どもたちと生活することで、日々の農村での厳しい暮らしにとらわれることなく学業にまい進できます。


受付をする男子児童/2024.04 🄫JADE


大地震と余震は、子どもたちの心身に大きな影響を与え、不眠やうつ状態、PTSDなどの症状がみられました。家計が悪化したことで、家族から学校をやめて家業の手伝いや結婚をするようにプレッシャーをかけられた子どももいます。

子どもたちの精神面を改善するために、JADEは心理状態の分析や個別相談、心理社会ワークショップなどを実施し、心理社会的支援ワークブックと同ファシリテーター向けのガイドラインを作成しました。

特に症状の重い子どもには、カウンセリングを最後まで受けられるよう配慮しながら効果の定着を図りました。2024年10月末の時点で、子どもたちの7割以上が精神状況を改善、8割以上が学業の継続を希望しています。

※Fondation Mohammed V pour la Solidarité (モハメッド五世連帯基金) 

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