ユニクロ、ジャパン・プラットフォームを通じて、 能登半島の地震・豪雨で被災された方々にヒートテックを寄贈
Vネット(Vnet)
被災者の方に提供している仮設の入浴施設(輪島市マリンタウン、9月28日) ©JPF
JPF加盟NGOのVネットは、輪島市で地震・豪雨による被災者向けに入浴施設を運営しています。
Vネットが能登半島で支援を開始したのは1月の地震発生翌日。避難所に食料や燃料などを届ける中で、行政・被災地からの支援ニーズを受けて、避難所に仮設の入浴施設を設置、運営していました。
地震被災直後に市内で入浴施設を提供していたのはVネットのみで、現在、輪島市内の2カ所で入浴施設を運営しています。輪島中心部と門前地区で被災者の方がお風呂を使えるのはこの2カ所のみのため、被災された市民の皆さんに本当に頼りにされています。
輪島市役所とも調整しながら運営(輪島市マリンタウン、9月28日) ©JPF | 9月の水害後、利用者数が再び増えている(輪島市マリンタウン、10月4日) ©Vネット |
5月頃は両方合わせて1日500人を超える方が利用していましたが、仮設住宅への入居が進んだことにより、利用者は少しずつ減少。以降は、「自宅のお風呂が使えない」「上下水道が直っていない」などの自宅避難者が主に利用していました。この1カ月間の利用者は、もんぜん児童館では60-90人ほど、輪島マリンタウンでは120-150人ほどとなっていため、状況をみながら10月末で終了する予定でした。
しかし、9月21日からの豪雨の影響で、能登半島は再び被災しました。
23日以降、連日、輪島マリンタウンでは350人以上、もんぜん児童館でも100人近くの方が入浴にいらっしゃいます。28日はJPFスタッフが16時頃に輪島マリンタウンに伺ったのですが、30分ほどの間に15人以上の方が出入りしていました。自宅避難者の方が中心ですが、避難所や仮設住宅でお風呂が使えない方、そして今は清掃ボランティアの方なども利用しています。
9月末時点では、お風呂が使える時間は6時間で、運営は地震によって仕事を失った方など、輪島市民をスタッフとして雇用し、早番と遅番のシフトで対応中です。
入浴時間後は水切りを行い送風機で乾燥/稼働中は滑り止めマットで事故がないように工夫(門前町鬼屋、9月28日) ©JPF |
風の強い日に備え、外側に風防壁を設置/給水タンク・給湯器の設置も全てVネットで行う(門前町鬼屋、9月28日) ©JPF |
仮設浴場では、利用者数にあわせて必要な数の水タンクを設置しているため、今回のように急に入浴する方が増えると、臨機応変な対応が求められます。28日も、夕方からタンクと配管用資材を手配し、29日午後からの開始時間に間に合うよう増設の作業を行いました。
こうした柔軟な対応は、これまでの経験と地域のネットワークを持つVネットのスタッフが対応しているからこそできることでもあります。
実は、被災者の方に、より安全に利用していただくために、こんな工夫もしています。
利用者の方の事故がないことを第一に、小さなニーズにも耳を傾け、こうしたきめ細やかな配慮をしながら支援を続けています。これから寒くなる季節に向けて、ヒーターの設置など寒さ対策も検討していくとのことです。
多くの方が仮設住宅に入居し、入浴施設も終了の見通しが立ってきたところに起きた今回の水害。二重の被害に、いつ生活再建ができるのか見通しが立たなくなり、被災された方々はさらなる支援を必要としています。
Vネット理事長の川上さんは「やっとの思いで支援活動を積み重ねてきたのに…」という気持ちを吐露されていましたが、「緊急対応の質を上げていけるよう、これからも努力を重ねていきたい」とも語っていました。
被災者の方の一日も早い生活再建のため、JPFは加盟NGOとともに一層被災された方々の声に耳を傾け、迅速な支援を届けていきます。
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