「能登豪雨1ヵ月:現地からの報告」アーカイブ配信中
ジャパン・プラットフォーム(JPF)
豪雨の影響で川が氾濫し、流木が押し寄せた住宅地の様子(門前町浦上、9月28日撮影) ©JPF
2024年1月の地震以降、 ジャパン・プラットフォーム(JPF)は加盟NGO11団体とともに能登半島で支援を続けてきました。地震から8カ月以上が経ち、ようやく生活再建に向けた活動が始められるようになった矢先、9月21日からの豪雨によって大きな水害が発生しました。
JPFは、能登半島で続けている地震被害への支援を水害被害にまで広げ、これまでに現地で築いたネットワークや加盟NGOの多様な強みを活かしながら、支援を行っています。
9月28日、JPFスタッフが被害状況の把握とさらなる支援強化のため、輪島市に入りました。
浦上川が氾濫し、住宅地にまで流木が押し寄せた(門前町浦上、9月28日) ©JPF |
最初に訪問したのは、活動地の一つで仮設住宅も並ぶ門前町浦上地区。
2カ月分の雨がわずか3時間ほどの間に降り、河川が氾濫しました。
地震によって山から崩れてきていた土砂や流木が、記録的な豪雨により住宅地に押し寄せ、多くの住宅が壊滅的な被害を受けました。28日も、ボランティアの方が朝から清掃作業をされていました。地震の際には何とか持ちこたえて住むことができていたのに、今回の豪雨で浸水被害が出てしまったというお宅もありました。
今回の豪雨で浸水被害を受けた仮設住宅。今も浸水の爪痕が残っている(門前町浦上、9月28日) ©JPF |
浦上公民館の周辺には、約80戸の応急仮設住宅が設置されているのですが、大雨の影響で浸水被害が発生し、水は引いたものの、濁流が押し寄せた爪痕が色濃く残っていました。
仮設住宅の集会所となっている浦上公民館でも浸水被害があり、同公民館 館長の喜田さんのお話では、28日時点で60人ほどが避難所での生活を余儀なくされているとのことでした。
浸水の被害は、放置するとカビの原因になり、健康被害が出たり、腐食してそのまま住み続けることができなくなってしまうため、早急な乾燥が必要になります。加盟NGOのVネットは、23日から送風機を使って仮設住宅や公民館の乾燥作業を行っています。
孤立状態が続いていた皆月地区(門前町皆月、9月28日) ©JPF |
断水が続く地域でVネットによる洗濯機が設置された(門前町七浦、9月28日) ©JPF |
浦上から北西に進んだ皆月地区・七浦地区では、つい先日まで孤立状態が続いていました。孤立状態は解消されましたが、行方不明者の方の捜索が続けられている地域です。
断水も続く中、輪島市役所から「洗濯施設を作ってほしい」との依頼を受けたVネットは、急遽27日に洗濯機を設置しました。翌日から使えるようになり、住民の方々が早速洗濯をしにいらっしゃっていました。
支援物資を受け取るため400人以上の方が列を作る(河井町、9月28日) ©JPF |
PARCICのスタッフに今後の支援ニーズなどを伺うJPFスタッフ(河井町、9月28日) ©JPF |
続いて、近くの河原田川が氾濫し、多くの住宅が被害を受けた輪島市河井町へ向かいました。
地震後、仮設住宅の入居者や在宅避難者への物資配布の拠点ともなっている重蔵神社では、加盟NGOのパルシックや他の支援団体が協力して物資配布を続けています。
今回の水害前は1日に300人ほどだったということですが、この日は436人の方が来られました。断水が続く住宅もあることから飲料水などを中心に、また、住宅が浸水被害を受けた方々は、片付けのためにスコップなどを受け取り車で持ち帰っていました。
輪島市役所門前支所長の中村さんは、復興に向けて歩み出していた矢先に大雨被害が加わり「気持ちが本当に折れてしまっている」と、やり切れない思いを口にされていました。
一方で、「支援は本当に助かっている。どうかよろしくお願いします」と頭を下げられていて、改めて身の引き締まる思いがしました。
私たちJPFは今後も被災者の方々に寄り添い、生活復興のための支援を続けていきます。重ねてのお願いとなりますが、引き続きご支援のご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
レポート:JPF 渉外担当 水谷
※現時点でJPF事業でない支援活動も含まれています。
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