「能登豪雨1ヵ月:現地からの報告」アーカイブ配信中
地元の人々に屋根補修のトレーニングを実施 ©PBV
令和元年台風の住居被害は16万棟を超えました。さらに新型コロナウイルス感染症の流行が重なったこともあり、行政による対応が遅れ、被災者は度重なる環境の変化にさらされました。
そのような中、ジャパン・プラットフォーム(JPF)は4年半にわたり、行政サービスでは行き届かない領域で、民間の人道支援団体が長期で関わるからこそ実現できた、効果的な支援を展開しました。既存の法制度では対応が十分でない、見過ごされがちなぜい弱者(在宅被災者、みなし仮設居住者、障がい者など)のニーズを拾うために、感染症対策をしながら個別訪問を行ったほか、傾聴ボランティアの育成、公民館・障がい者施設の修復、地域イベントの開催、キッチンカーサービスの提供、復興まちづくり計画など、工夫を凝らした場づくりを行い、必要な支援につなげました。
本災害による被害のもう一つの特徴は、雨漏りによるカビや歪みによる建物の損傷、健康被害が、時間の経過とともに拡大したことです。JPFプログラムでは、加盟NGOが過去の災害対応の経験をもとに、耐久性を持つ「防水シート張り」の工法を取りまとめ、地元の担い手を育成して持続的に対応できる方策を編み出し、大きなインパクトをもたらしました。
今後は、本事業から得られた教訓を、次の災害に活かすため、平時から準備をし、災害支援の仕組み構築や政策提言につなげることが求められます。
近畿大学 国際学部教授
桑名 恵
<2023年度年次報告書より>
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