「能登豪雨1ヵ月:現地からの報告」アーカイブ配信中
ピースウィンズ・ジャパン(PW)
ピースウィンズのモバイルチーム
モバイルクリニックのための車両
超音波検査も行います
モバイル・クリニックが開かれる場所には女性たちが乗ってきた自転車の列ができます
JPF加盟NGOのピースウィンズ・ジャパンは、ウクライナ北部のチェルニヒウ州で、女性たちの心と健康を守るための支援を続けています。
チェルニヒフ州では、2021年の侵攻開始当初からロシア軍からの激しい攻撃を受け、2022年4月まで領土の一部が占領されていました。攻撃によって多くの医療機関が被害を受け、その中には地域医療を担う基幹病院や産婦人科、小児科病院なども含まれています。そのため、州内では十分な医療サービスを提供できない状況が続いていました。
~女性たちの置かれた状況~
侵攻開始以来、病院での検査を受けられていない人も多くなっています。
たとえば、婦人科系の病気の早期発見ができないことや、専門的な治療を必要とする妊婦が受診できていないなどのリスクが懸念されます。
また、戦争の長期化によってうつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)なども増えています。ストレスを抱えた人々の家庭内暴力(DV)も増加しています。
このような状況で、女性たちはジェンダーに基づく暴力(GBV: Gender-based violence)にさらされており※1、さらには紛争関連性的暴行(Conflict-related Sexual Violence: CRSV)や性的搾取・虐待(Sexual exploitation and abuse: SEA)などのリスクも高まっています。※2
~現地提携団体と連携した巡回医療~
ピースウィンズ・ジャパンは、メンタルヘルスの専門家を擁する現地提携団体Andreev Family Foundation(AFF)と、同州ニジィン市の産婦人科基幹病院であるニジィン産婦人科病院と連携してモバイルチームを形成し、女性を対象とした巡回診療と臨床心理士による個別カウンセリングを実施中です。2024年2月より、医療機器を搭載した巡回診療専用車両を使って、本格的に始動しました。この3月までに巡回診療とカウンセリング合わせて受診したのは1,000人以上の方に上ります。
必要に応じて、専門病院への移動支援やカウンセリングの継続、GBV被害者に対しては臨床心理士等が別途プログラムを作成し、個別対応します。さらに、州内の複数の地域でコミュニティの女性を対象とした臨床心理士によるグループセラピーを実施します。
引き続き、地元の行政と調整をしながら、現地の状況に合わせて、柔軟な対応で支援を続けていきます。
※2:https://time.com/6261977/ukraine-women-domestic-violence/
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