「能登豪雨1ヵ月:現地からの報告」アーカイブ配信中
Vネット(Vnet)
JPF加盟NPOのVネット(Vnet)は、輪島市門前町で仮設風呂や洗濯機を設置しています。また、被災者の要望を受けて、崩壊した建物からパワーショベルなどの重機を使って、大切なものを取り出しています。
2024年2月24日、Vnetは3軒の崩壊した家屋から思い出の品を取り出しました。
まず向かったのは、被害の甚大な門前町諸岡地区です。朝8時過ぎからスタッフ11人で、重機と手作業で、原形をとどめないほどに崩壊した家屋から位牌や遺影などを取り出しました。
次は数百メートル離れた場所にある家屋です。2階建ての家は、屋根を除いて跡形もなく崩壊しています。幸い被災した方はいませんでしたが、長年住んだ実家には思い出の品がたくさん埋もれています。避難所でVnetの活動を知った女性は、ご両親とお姉さんの位牌だけでも取り出したいと依頼しました。パワーショベルでがれきの山をかき分け、およそ3時間後に3人の位牌を取り出すと、拍手が起きました。依頼した女性は位牌を手に、何度も感謝の言葉を口にしていました。
3軒目は門前町浦上地区で被災した方の自宅です。祖父母の遺影を取り出したいという依頼でした。家は大きく崩れていて、小型の重機ではがれきの奥深くまで届きません。VnetはJPF賛助企業のコマツ(株式会社小松製作所)にお借りした大型の重機を駆使して、がれきの山をかき分けます。さらにチェーンソーを使ってはりなどを取り除きながら、仏間があったと思われる場所に近付きました。
最後はスタッフががれきの下に潜り込んで遺影を探しました。上からがれきが崩れてくる可能性がある危険な作業です。およそ3時間後、祖父母の写真を取り出すことに成功しました。依頼した男性は「自分はおばあちゃん子だったんですよ。家は壊れてしまったけれど、思い出のおばあちゃんの遺影写真が取り出せて本当にうれしい」と話していました。
Vnetはこの後、被災者の依頼で、崩壊した自宅の近くにあるお墓を重機を使って修復しました。
Vnetはこうした作業のほか、門前町にある13カ所すべての避難所に洗濯機を設置しています。それまで沢の水などで手洗いしていたため、洗濯機はとても住民に喜ばれています。断水のため、山の中にある地原浄水場まで給水タンク車で取りに行かなければなりません。海に近い門前町の端にある阿岸公民館の避難所からは片道30分かかるため、水を取りに行くだけで一苦労です。
そこでVnetは、JPF賛助企業のクリタグループからご提供いただいた、水のろ過装置を阿岸公民館に設置しました。公民館の裏を流れる沢から水を取り、ろ過したうえタンクに貯め、洗濯用水に利用しています。住民の皆さんは、ろ過装置のおかげで楽になったと大変喜んでいました。
Vnetは、お風呂と洗濯機、そして重機を使った支援を続けていきます。
※重機を使った支援、お風呂・洗濯機の支援はJPFの助成による事業です。
JPF「令和6年能登半島地震 被災者支援」プログラム
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