NGO能力強化研修プログラム

2016年2月29日~3月4日、「INEE教育ミニマム・スタンダード・トレーナー養成研修」を米国・ワシントンD.C.にて開催

イベントレポート

Session1: Introduction & Rationale for Education in Emergencies

「一番最初の研修報告」

この季節、まだ寒いはずのワシントンDCですが、研修第一日目はお天気に恵まれ、小春日和の気持ちの良い出だしとなりました。参加者は日本やパキスタン、レバノン、ブルンジ、コンゴ、バヌアツなど遠方からの参加がほとんどで、時差ボケと戦っていましたが…。
日本からの参加者15人に、様々な国の教育支援に携わる多国籍の参加者を合わせた総勢29名で、充実した研修となりそうです。前者はJPFによる選抜ですが、後者はINEE(※1)の募集枠に応募してきた70人以上から選抜された選りすぐりの14名だそうです。

NGOメンバーを含む15名が米国に向けて出発しました!

最初のセッションの前にまずINEE側からの挨拶と連絡事項、自己紹介が、続いて、ビンゴ形式のゲームがありました。各マスに「クラスター・コーディネーターとして働いたことがある」、「災害支援に従事したことがある」、「イラクで勤務経験あり」、「5年以上緊急時の教育支援に携わっている」等が書かれた紙を持って参加者がお互いに質問し合い、相手が各マスの内容に当てはまる人であれば、その参加者の名前をマスに記入し、全部のマスを埋められればビンゴです。最初にビンゴとなった参加者には景品があるとのことで、このような競争には皆燃えます。楽しいアイス・ブレーキングでした。(トレーナーは研修参加者の連帯感を育て、研修の質を保つ必要があります。よって、参加者の集中力や意欲が下がった時のために気分転換となるようなアイス・ブレーキングやエクササイズを行うことは有効で、手持ちの手法を豊富に揃えていると便利です。当研修はトレーナー養成研修ということもあり、トレーナーを目指す私たちにとって、このようなユニークな手法は参考になりました。)

NGOメンバーを含む15名が米国に向けて出発しました!

導入の役割も担う最初のセッションでは、参加者全員で緊急時の教育支援の意義について話し合いました。緊急時の教育支援といっても、自然災害や人災によるもの等、様々なタイプの緊急事態があり、必要な支援や、それによって生じる影響は、それぞれ場合によって異なります。ゆえに、「緊急時の教育支援とは何か?」、「定義は?」、「なぜ緊急時の教育支援が必要なのか?」という質問は最も基本的かつ奥深いもので、今回の研修の根底をなす問いかけとなりました。
また、緊急支援資金全体のたった2%しか教育支援に配分されていないという事実は、現在の緊急支援の動向を明示しています。緊急教育支援の意義と最低基準に立ち返ることから始まったこの研修は、この状況を変えていくのに強力な原動力となり得ると感じました。

北原 聡子
(特活)ピース ウィンズ・ジャパン(PWJ)

※1)INEE
緊急教育支援の情報ネットワーク(Inter-Agency Network for Education in Emergency)
http://www.ineesite.org/en/

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イベントレポートの目次一覧

イベント概要

ジャパン・プラットフォーム(JPF)は、「TOMODACHI NGOリーダーシップ・プログラム」(※)の一環として、「INEE教育ミニマム・スタンダード・トレーナー養成研修」を、来年2月29日~3月4日の日程で米国・ワシントンD.C.にて開催します(共催:米国NGO団体Mercy Corps)。

これは、昨今の世界情勢や緊急人道支援の性質と傾向、また以前よりJPF加盟NGOから寄せられていたトレーニング開催への高い要望を鑑み、JPFが教育分野における国際的なミニマム・スタンダード(INEE)についての学習機会の提供を模索してきた結果によるものです。
本研修参加者は研修終了後、トレーナーとして年度内に日本にて約2日間の研修を実施していただくことになります。よって、緊急教育支援に従事した経験を持ち、かつ日本での普及活動に意欲的な方を対象に開催すべく、研修内容や参加者の応募資格、条件等については鋭意調整中です。詳細決定次第、随時ご案内いたしますが、ご関心のある方は直接下記窓口までお問い合わせください。

INEE教育ミニマム・スタンダードとは:
緊急教育支援の情報ネットワーク(Inter-Agency Network for Education in Emergency : INEE)が策定した緊急時の教育におけるミニマム・スタンダードです。INEEの運営には、UNHCE、UNICEF、UNESCO、USAID、World Vision Internationalなどが入っており、国際的に認知されている基準です。本スタンダードは、ハリケーン・台風・地震・洪水などの「自然災害」と紛争や内戦によって引き起こされた「複合的な緊急情勢」に緊急的に対応するために設計されており、現在170ヶ国で使用されています。

参考:

INEE
http://www.ineesite.org/en/

INEEミニマムスタンダード
http://toolkit.ineesite.org/toolkit/INEEcms/uploads/1012/INEE%20MS%20Japanese_2010.pdf

内閣府HP:緊急時の教育のための最低基準とは
http://www.pko.go.jp/pko_j/organization/researcher/atpkonow/article033.html

※「TOMODACHI NGOリーダーシップ・プログラム」について:
「TOMODACHI NGOリーダーシップ・プログラム」とは、米日カウンシル(US-Japan Council)主導のTOMODACHI イニシアチブ、ならびにJ.P.モルガンの支援を受け、JPFが米国のNGO団体マーシー・コー(Mercy Corps)とのパートナーシップのもとに実施している研修事業です。東日本大震災におけるNGOの支援活動から得られた貴重な経験や教訓を活かし、日本のNPO/NGOが国内外でより効果的な人道支援活動を行うための能力強化を目的としており、2013年4月~2016年3月までの3年間で、人道支援に関するさまざまな研修を計画、実施しています。

研修概要

期間
2016年2月29日(月)~3月4日(金)
※この日程には、出発・帰国日は含まれていませんのでご注意ください。
渡航先
米国・ワシントンD.C.
費用
無料
※米国往復航空運賃(上限あり)、ESTA(渡航認証)申請費用、研修期間の保険料、米国国内宿泊費、日当(注)はJPFが負担します。
注)日当はMercy Corpsの規定額に基づき、米国ドルで支給されます。
定員
日本人10~15名 (外国からの参加者複数名)
※厳正な審査の上、参加者を決定します。
言語
英語

本件に関するジャパン・プラットフォーム(JPF)についてのお問い合わせ先

特定非営利活動法人(認定NPO法人)ジャパン・プラットフォーム

NGO能力強化研修プログラム担当:鈴木、谷口
E-mail:training@japanplatform.org
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-6-5 麹町GN安田ビル 4F
TEL:03-6261-4751(事業部直通) 代表:03-6261-4750 FAX:03-6261-4753