JPFの福島支援(東日本大震災被災者支援)

「福島に残された3つの課題」と
解決のための活動

1. 福島県内外の被災者・避難者への支援

[ AAR ]現地担当:大原 真一郎さん

[ AAR ]現地担当:大原 真一郎さん

復興公営住宅の整備により仮設住宅からの退去が進み、原発事故による避難指示が80%ほど解除され、生活環境が改善されていないにも関わらず「被災者」が「避難者」と呼ばれなくなる中で、苦境にある彼らの姿や抱える問題がどんどん見えなくなっています。AARは、長年の活動を通じてできた繋がりを活かし、被災者同士の繋がりを育む支援や、移住者が地域に溶け込めるような支援を続けていきたいと思います。

原発事故での避難指示に翻弄され、いまだ避難生活を送る被災者の数は、福島県内に約7,200人、県外には約29,000人が全国に散らばり、そのうち約20,000人が関東圏内に避難しています。(復興庁発表 2021年1月13日現在)

AARスタッフによる傾聴活動や健康体操の指導 ©AAR
AARスタッフによる傾聴活動や健康体操の指導 ©AARAARスタッフによる傾聴活動や健康体操の指導 ©AAR

避難先での生活において、人々が健全に希望を持って暮らすためには、心に抱え続けている複雑な思い、健康への不安を共有し、放射能に対する考え方の違いなどによる人と人の分断を乗り越えるための場づくりの支援継続は不可欠です。

国際的な視点でも、国境を越えずに避難している国内避難民の数は、注目を集める難民と比べて圧倒的に多いにもかかわらず、国際的にもほとんど議論が進んでいないのが現状です。

特定非営利活動法人難民を助ける会(AAR)は、2011年7月から、岩手・宮城・福島3県で、仮設住宅の避難者支援を目的としたマッサージ・傾聴・地域交流活動を開始し、これまでに約990回実施してきました。引き続き福島県内の3つの地域で継続していきます。首都圏内への長期避難や移住を決めた被災者には、移住先での交流や勉強会などを通じ、助け合いながら繋がりを作る後押しをしていきます。

また、これまでの支援から得た経験・知見をまとめ、今後起きるかもしれない自然災害と原発事故の複合災害における提言・発信も行います。