「子どものための心理的応急処置
-Psychological First Aid for Children (PFA for Children)-」
の紹介ワークショップを開催しました
イベントレポート
ジャパン・プラットフォーム(JPF)は、主催セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの協力団体として、5/22(金)に「子どものための心理的応急処置 -Psychological First Aid for Children (PFA for Children)-」(以下「子どものためのPFA」)の紹介ワークショップを開催しました。
緊急支援における心理社会的応急処置の重要性は、国内外で広く認識されており、世界保健機関(WHO)が「Psychological First Aid(PFA ※1)」という手法を確立した他、ほかの団体でも普及を進めています。そのような中、日本では東日本大震災を機に、被災地での緊急・復興支援において、支援者やボランティアが子どもの発達を理解し、適切な子どもへのアプローチの手法を学ぶことの重要性が高まりました。そして2013年、このWHO版PFAを基盤に、緊急支援に携わる支援者向けの、誰にでもできる子どもへの心理社会的ケアの手法としてセーブ・ザ・チルドレンによって開発されたのが「子どものためのPFA」です。
今回は、まず、「子どものためのPFA」の理解と、子どもにやさしい支援のあり方や取り組みについて意見交換することを目的に、「紹介ワークショップ」として行われました。
参加者は講義とグループワークを通して、「子どものためのPFA」の行動原則-①「見る」→②「聴く」→③「つなぐ」-や、子どもの発達段階の特徴を把握することの重要性を学びました。また、特に幼児や低学年の子どもたちから話を聞く際に活用できるテクニックの一つとして「トライアンギュレーション」(※2)という手法も紹介され、参加者がペアになって、シミュレーションを行いました。
参加者からは、子ども支援に関係する自身の体験をもとにした質問や、「トライアンギュレーション」以外の手法に及んだ具体的な質問が挙がるなど、国内外の災害や紛争、日常生活でも起きうる交通事故や事件などに直面した子どもに対して、支援者が、どう接すればいいかについて考えを深めるきっかけとなりました。
※1)PFA
災害時などに被災者の精神的苦痛を悪化させないように支援にあたり、必要なニーズへとつなぐ心理社会的支援の手法。世界保健機関(WHO)などが2011年にマニュアルを作成し、世界をはじめ日本でも普及が始まっています。
http://www.who.int/mental_health/publications/guide_field_workers/en/
※2)トライアンギュレーション
特に年齢が低い子どもたちは知らない大人と話すことを怖く感じることもあります。もし、子どもが支援者(大人)と直接話したがらないとき、他の人やおもちゃなど “第3者”を通して会話を進めることを「トライアンギュレーション」といいます。第3者や物を交えて三角関係を作り会話を進めていくことで、まだ支援者に慣れていない子どもを怖がらせない方法でコミュニケーションをとることができます。